大阪体育大学は、教育・体育・スポーツの高等教育機関として西日本ではじめて体育・スポーツ系の大学院を開設し、
大阪府下を中心に全国各地に教員や体育・スポーツ関係者を多く輩出してきました。
2019年度スポーツ庁委託事業「運動部活動改革プラン」では、
これまでの人材育成の実績をふまえ、運動部活動への本学学生のスポーツ指導の実態を把握し、
学校・教育委員会・スポーツ団体などに現状や課題の聴取を行いました。
加えて、文部科学省やスポーツ庁などの運動部活動に係るガイドラインや手引きを踏まえながら、
体育大学のカリキュラムなども考慮し、独自のスポーツ指導者研修の立案と養成プログラムの検討に取り組みました。
本事業の成果が、運動部活動におけるスポーツ指導者の養成や輩出にとどまらず、広く、
スポーツ指導者の啓発や研修の一助となることを願ってます。
[ 事業概要 ]
大学生等指導者に向けて
実態調査
中学校および高校への
運動部活動指導に関する調査
本学の体育学部ならびに教育学部の1~3年生を対象に、
実際に中学校や⾼校の部活動現場での指導の有無や、
今後、本学から部活動現場に指導者を派遣する制度ができた場合の参加希望などについて調査をした。
調査期間:2019年9月30日~10月11日
調査回答者:491名
任用・派遣事例
運動部活動への学生によるスポーツ指導の事例
運動部活動への本学学生によるスポーツ指導の実態について、以下の6つの事例について調査を行った。
指導形態は「部活動指導員」や「外部指導者」「ボランティア指導者」など様々であった。
派遣先団体に向けて
インタビュー調査
運動部活動への学生のスポーツ指導について、教育委員会などに聴取した。
聴取対象と日時は以下のとおり。
-
(1)大阪市教育委員会
日時:令和元年7月18日(木)13:00~14:30 -
(2)貝塚市教育委員会
日時:令和元年8月2日(木)10:00~11:20 -
(3)近畿中学校体育連盟
日時:令和元年8月27日(水)15:00~16:30 -
(4)熊取町教育委員会
日時:令和元年9月4日(水)10:00~11:00 -
(5)泉佐野市立長南中学校
日時:令和元年10月21日(月)11:20~12:00 -
(6)大阪市阿倍野区役所
日時:令和元年12月3日(火)10:00~11:00 -
(7)日本中学校体育連盟
日時:令和2年1月4日(土)14:30~15:30 -
(8)流山市教育委員会
日時:令和2年2月1日(土)17:00~18:30 -
(9)泉南市教育委員会・泉南市立一丘中学校
日時:令和2年2月4日(火)10:00~10:30など
導入アンケート
「部活動指導員」導入・実施等に
関するアンケート調査
全国の都道府県ならびに市区町村の教育委員会を対象に「部活動指導員」導入・実施等についてアンケート調査を行った。
調査期間は、2020年1月10日~31日、回収率は34.8%であった。
研修プログラム
セミナーなどの実施
「運動部活動指導者養成プログラム」
(学内研修会)と
公開シンポジウムを実施した。
運動部活動指導者養成プログラム
- 第1回:2019年12月16日(月)「部活動の意義」、「部活動指導に関する質問紙」(本学C302教室)、9人参加。
- 第2回:2019年1月24日(金)「部活動指導員制度と新学習指導要領上での扱い」(本学L201教室)、350人参加。
- 第3回:2019年2月5日(水)「熱中症『0』を目指して」(本学C205教室)熱中症対策アドバイザー養成講座として大塚製薬株式会社が協力、20人参加。
公開シンポジウム
日時:令和2年1月24日(金)16時20分~17時50分
参加者 350人(教委、一般教職員、本学教職員・大学院生、体育学部・教育学部生ほか)
制度設計
運動部活動改革の制度の検討のポイント
本学における運動部活動改革に資するシステム構築を目指すために、本事業における派遣事例の検討、教育委員会や関係団体へのアンケート・インタビュー調査、学生の研修やシンポジウムから得られた知見、そして本学の有するスポーツ指導者養成関連資産から下記の検討ポイントを設定した。
- ①派遣先学校の選定とそのプロセス
- ②派遣先と派遣する部活動指導員の特性に応じた状況調査の実施
- ③派遣学生の啓発・養成プログラムおよび学外人材の研修システムの構築
- ④学内体制の整備
- ⑤「チーム学校」の視点から運動部活動の改革推進に体育系大学、企業、商工会議所、産業振興センター等、地域社会が参画した持続可能な体制づくりの検討
- ⑥部活動指導員の派遣に関連する契約書モデルの検討(事故やトラブルなどへの対応、指導員の報酬や稼働条件など)