大阪体育大学ラグビー部は今年で創部50周年を迎えました。
7月28日(日)に大阪市内にあるホテル京阪・京橋グランデにて大阪体育大学ラグビー部 創部50周年記念式典が行われ、たくさんのご来賓の皆様やOBの皆様にお集まり頂き、盛大に開催されました。
坂田元監督(現関西ラグビーフットボール協会会長・大阪体育大学ラグビー部 エクゼクティブアドバイザー)が就任された頃の話をされていた際に、その当時は今のような専用グランドはなく、大学の近くにある安威川(創部当時の大阪体育大学は茨木市にありました)の河川敷で練習をしていたとの話をされました。当時も現在と同じく学業が主であり、現在と変わらない授業終了後の16時以降に練習を開始し、冬には照明もなく真っ暗な中でも練習していたとの事でした。
現在はラグビー部専用の人工芝グランド(世界初のラグビー専用人工芝グランド)があり、ナイター練習用の照明まで設置されているので暗くなってからでも練習を行うことが出来ます。なので、当時の先輩方が苦労されたような事が今の学生達には起きないことを考えると、本当に環境に恵まれているなと改めて感じることが出来ます。
坂田元監督の監督生活の中でも印象に残っている場面として語られた一つのストーリーはやはり、1985年11月17日に滋賀県希望ヶ丘で行われた関西大学ラグビーAリーグ 同志社大学戦。同時の同志社大学はこの日まで関西大学ラグビーAリーグで71連勝を積み重ね、関西大学ラグビーAリーグに所属する各大学は幾度もその大きな壁に阻まれてきました。
この日、実は大阪体育大学は主力2名の選手を怪我で欠く苦しい状況ではありました。それでも選手達は固く結束し、同志社大学に立ち向かいました。その結果、34-8と同志社大学に勝利し、その連勝を71で止めることに成功しました。
71連勝という偉大な結果を作り上げた同志社大学の強さにも脱帽だが、それを止めようと必死の努力を積み重ね、部としての偉大な歴史を作り上げてくれた当時の先輩方には本当に感謝しかありません。
もう一つお話になられたお話としては2012年に花園ラグビー場で行われた大学選手権セカンドステージ・早稲田大学との試合。このシーズンで監督を退くことが決まっており、試合自体は残念ながら8-61と敗れたが、試合終了後に対戦した早稲田大学の選手からも花束を贈呈され、両チームの花道を抜けて36年間の指導者としての幕を下ろされました。「これに関しては「本当にありがとう」しかない。指導者として本当に恵まれたと感じた瞬間だった」とおっしゃってました。
式典では各年代のOBの方々にも壇上に上がって頂いて、その当時の思い出を語って頂きました。そして50年分の部と共に歩んだ歴史というものを改めて実感する事が出来た瞬間でもありました。
最後に現役の選手を代表して、山下主将、中島副主将と奥開主務の3名も壇上に上がらせて頂き、現監督の中谷監督から会場の皆様にご挨拶をさせて頂きました。冒頭、「正直、この春シーズンも苦しい戦いを強いられました。結果だけをご覧になればお怒りになっている方もたくさんおられると思います」と言葉を選び、会場の皆様語りかけました。
中谷監督が坂田元監督よりバトンを渡されて就任された2013年以降、Bリーグに降格し、3年をBリーグで過ごすという苦渋を味わった。2017年に再昇格を果たしたが、昨シーズンも8チーム中7位という結果で入替戦を戦い何とか残留したという状況だ。そんな部の現状に対して色々な方から色々な形でたくさんの叱咤激励のお言葉やお気持を頂戴しているのも事実です。
「今は本当に一歩ずつ、我々の目の前の階段を登り続けている。それだけです。」
ラグビーのチームは急激には強くなることはまずありません。それは坂田元監督が就任当時のお話をされたストーリーと酷似しているようにも感じます。努力を1日1日積み重ね、そしてそれを繰り返した事によって同志社大学の71連勝をストップさせ、そして関西制覇を成し遂げた。でもそれは1日で達成した事ではありません。これはチームのモットーでもある「Better than before(昨日より常に良い自分を作り出す)」にも込められている。
チームはBリーグに降格し、新しく生まれ変わることを求められた。
現在も現役で教育機関等で活躍されているたくさんの先生方が卒部生におられる中、その先輩方が1番、現場で移り変わる歴史、そして子供達の性格や振舞いが変わって行くことを肌で感じておられると思います。そしてそれはラグビー部にも同じ事が言えると感じています。指導の方法も変わり、昔は当たり前だった事も今では許されないという事もたくさん生じていると思います。
昔と今が違う事がたくさんあるとしても絶対に変わらない事もあります。それは「ラグビー選手」であるという事です。一度、グランドに立ったら、グランドに立った自分達で物事を判断しなければなりません。「ラグビー選手として自分自身がどう成長をしたいか?」「チームをどのように変えていきたいのか?」それは昔でも今でも1人1人の選手達が考えなければならない事です。その過程で監督・コーチスタッフが関わり、彼らを正しい方向へ導くために存在してくれております。
中谷監督は言葉を詰まらせながら「どうか、温かい目で見守って頂ければと思います。そして、近い将来、必ず関西制覇、そしてその先の選手権制覇を目指したいと思います」と、新生ヘラクレス軍団への温かい応援をOBの皆様に改めてお願いをさせて頂きました。
式典の最後はご参加して頂いた皆様全員と部の未来へのさらなる発展を祈願し、円陣を組ませて頂き、青春譜(大阪体育大学 学生歌)と押し照るや(大阪体育大学ラグビー部 部歌)の2曲を熱唱し、幕を閉じました。
暑い中、たくさんの方にご参加をして頂き、本当にありがとうございました。
引き続き、大阪体育大学ラグビー部への温かいご支援・ご声援をお願い申し上げます。
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