10月23日(火)・24日(水)の二日間にわたり、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて「ハイパフォーマンススポーツ・カンファレンス2018〜平昌から東京へ〜」が開催されました。
この講演は、平昌2018大会に向けてハイパフォーマンスセンターで行った医・科学の取り組みなどを報告し、その効果を東京2020大会に繋げ推進していくために開催されたものです。
その一方で、ハイパフォーマンスで活躍するアスリートたちの将来もパラレルで考えていかなければならないと、デュアルキャリアを考えるプログラムも開催。本学からはスポーツアドミニストレーター・森田卓氏が登壇しました。
「2028年、あなたは何をしていますか?〜デュアルキャリアのすすめ〜 人生100年時代の自分のために」と題した講演で、第2部となる「大学だからできるデュアルキャリア支援」というテーマについて、森田氏と共に、順天堂大学 スポーツ健康科学部の宇城元氏、モデレーターには元アイスホッケー女子日本代表で日本スポーツ振興センターの高嶌遙氏が顔をそろえました。
この講演の中で森田氏は、「本学は学生数3,000人に満たない規模であるが故に、その分学生一人ひとりに手厚いサポートができる支援プログラムが確立されている」とした上で、「現状8割が学生アスリートという体育・スポーツ専門の大学でありながら、その就職先は教員や警察・消防に留まらず、各種一般企業も多い」と話しました。
また「デュアルキャリアの重要性」という質問に対しては、「人はそれぞれ進路を考える転換期がある。特に大学は卒業後、社会にでていく教育機関。多くの学生がここで転換期を迎えることになる中、スポーツの目標とともに人生の目標を持たせることが大学にとっては重要である」という意見を展開。
さらに「学生アスリートの強みは、スポーツ経験による目標設定能力や、精神面での回復力、つまり試合などにおいての敗退や失敗に対し、落ち込むだけでなくそれを課題とし、モチベーションに変える力は大きな強みだと思う。また、アスリートの活動とキャリア形成は別物ではない。アスリートとして得た経験がキャリアに生きてくることはたくさんある。競技活動と人生の両方を考えさせることが、学生の意識改革にも役立ってくる」と持論を含め語りました。
最後に「大学における学生アスリートのキャリア支援」というテーマに対しては、「学生アスリートのキャリア形成には、所属する部活動の監督・コーチの理解と支援が不可欠である。本学では、これまでも監督や指導者、キャリア支援センターが相談や支援を行い成果を上げてきたが、スポーツ局が開設されたことで、学生アスリートへの支援をより強化し取り組みを始めている」と話しました。
質疑応答では、実際に競技を行っている学生方の質問で「学業とスポーツを両立させたいが、そうはいかない場合もある。特に合宿や試合遠征などがあるとどうしても学業が手薄になる」といった悩みを吐露。それに対し森田氏は「先述の通り、本学は8割がアスリートであり、競技に特化したくて入学した学生が多い。
だからこそ大学側が工夫し、部活がある放課後に支援プログラムを設定するばかりでなく、お昼休みなど時間の配分を考えて行っている。本学に限らず、学生アスリートの支援のためには合宿や遠征が多い学生に対してeラーニングなどの遠隔授業や補講を実施するなどの策を検討すべきだろう」と結論づけました。
この聴講には、スポーツ関係者のほか多くの学生アスリートも参加。関心の高さを伺わせました。
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