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2019.06.03

女子アスリートの貧血対策に注目した講習会を開催

5月29日(水)、本学D203教室において、浪商高校女子運動部員を対象に貧血と栄養に関する講習会が開催されました。
陸上競技、剣道、水泳、バレーボール、柔道、硬式野球、テニス、体操、空手など多くの種目から約80人が参加し、高校生の女子アスリートとして気を付けていきたい貧血の知識やそうならないための対策、栄養に関しての内容を学びました。
この講習は毎年恒例となっています。

講師は2名で、まず初めに大学院研究科長、教授(体育学部健康・スポーツマネジメント学科)で、大阪体育大学診療所 内科医の前島悦子先生が登壇。
「貧血とは、立ちくらみやめまい、頭痛が起こる状態?それとも、血液中のヘモグロビンの数値が正常値より少ない状態?」というクイズを出題。生徒たちは顔を見合わせて相談しながら手を挙げていました。答えは後者。立ちくらみなどが起こるだけでは貧血とはいえない、という話からスタートしました。
その後、貧血の症状として体に現れる眼瞼(がんけん)結膜の色をお互いに見つめ合ったりもしていました。これはあっかんべーの目の状態で確認でき、色が蒼白に近づいていくほど貧血が疑われるというものです。
そして鉄欠乏性貧血に特有の症状、鉄不足の原因、予防と治療について話をされ、鉄のとり過ぎによる過剰症への注意も忘れないよう呼びかけました。
最後にアスリートに多い貧血の1つとして溶血性貧血の話があり、鉄欠乏性貧血にも共通した内容として食事の重要性を改めて説き、次の栄養の話へとバトンタッチしました。

続いての登壇はスポーツ局サポートスタッフで管理栄養士の井上春奈さん。「女性アスリートの食事と貧血」について解説しました。
「貧血にならないための食事は鉄が入った食事?」という問いかけから始まり、鉄以外にも貧血予防に効果的な栄養素があることを伝えました。そしてここでも過剰症の話が登場。貧血予防に効果的と考えられがちのレバーも毎日食べ過ぎてしまうと、体に弊害が起こる可能性がある、と警鐘を鳴らし、たくさんの食材を組み合わせて、たくさんの栄養素をまんべんなくとることの重要性について説きました。
また、食事摂取エネルギーからトレーニング・試合で消費されるエネルギーを引いた「エネルギーアベイラビリティ(エネルギー利用効率)」について紹介しました。
食品に含まれる栄養素には相性があり、食品の種類をたくさんとることで、効果的な栄養摂取につながると話し、「バランスのよい食事をとることが結果的に貧血を予防する食事につながる」という内容で締めくくられました。

世間にはたくさんの情報があふれている中、講習会によってエビデンスに基づいた情報を得ることで、これからの生活や競技にも活かせるものとなりました。

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