大学スポーツ推進に関する実務を担当する「スポーツアドミニストレータ」が一堂に会し、日頃直面する問題点や事例、今後の方向性などを現場からの視点で語り合い、共有するための「全国スポーツアドミニストレーター会議」が2月24日(日)、開学50周年記念館(L号館)にて開催されました。これは本学がスポーツ庁より受託している「大学スポーツ振興の推進事業(平成30年度)」の一環として開かれたものです。
この会議には鹿屋体育大学、国士舘大学、順天堂大学、新潟医療大学(記載順は五十音順)のスポーツアドミニストレーターが参加。他にも現在スポーツアドミニストレーターの設置準備を進めている大学や、関連する一般企業の担当者なども集まり、日本の大学スポーツが目指すべき方向性や大学スポーツ推進やその統括のあり方、体制などを議論しました。
冒頭では、本学・スポーツ局統括ディレクターの浦久保和哉氏が登壇。本学スポーツ局の開局初年度の取り組みと組織体制について紹介し、今後予定されている活動や、これからの展望について説明しました。浦久保氏は「大体大ビジョン2024の発表から、DASHプロジェクトの開始、スポーツ局の開設まで、手探りながら様々な事業や課題の解決に取り組んできた。今後さらに大学が、学生の部活動やアスリートに対してどういう思いで向かい合うのかを考え、『大学』と『スポーツ』の関係性をどう構築するのかという課題を解決していきたい」と語りました。
続く基調講演では、本学女子ハンドボール部監督の楠本繁生准教授が、本学卒業生(平成17年卒)で現在毎日新聞大阪事業本部にて様々なスポーツ競技大会の運営サポートに携わる久保賢志氏とともにトークセッションを繰り広げました。
この中で楠本准教授は、インカレ6連覇という偉業を成し遂げた女子ハンドボール部への指導方針を説明。「選手の『やる気を育てること』が一番大切。そのためには選手が自分で問題点や解決策を考えるように支え、選手個々の努力を評価する指導者側の姿勢を、日常の何気ないコミュニケーションを通じて感じさせることを大切にしています」と語りました。「練習でも、勉強でも、これからの社会人生活でも、辛いことをやり続けることができる忍耐力と挑戦し続けることの大切さを教えることが、大学という教育機関でスポーツ指導を行う意義」と熱弁し、自身の今後の目標を「2020年東京大会に、現役生・卒業生をできる限り多く送り出すこと。そして世界に“大体大力”を示すこと」と話して、参加者の共感を得ていました。
昼食休憩では、『OUHSスポーツデー2019』の会場を視察してもらうことができるよう、屋外のケータリングスペースへ参加者を誘導。地域と本学とのつながりの深さを、ステージパフォーマンスやイベントに参加する子供たちの笑顔を通じて感じ取ってもらいました。
午後からは先述の5校による公開ディスカッション。前半は「各校におけるスポーツ推進の統括体制」について、意見を交換しました。各校でのスポーツ統括組織の位置付けや体制には様々な違いがあるものの、共通しているのはカバーする領域の広さと業務の多様さと、従来の大学業務や組織をどのような形で「スポーツ」を軸に横断的な関係や体制を構築するかということ。新しい組織であるがゆえに、その膨大な仕事量に直面し日々奮闘する現場の苦労とその対策が共有されました。
休憩を挟んで再開された後半では「各校のスポーツ振興における施策や取り組み状況」について意見が交わされました。各校がこれまでの活動内容や、現在地域や関係企業・団体などと取り組んでいる事業等について具体的に説明。地域貢献活動や企業との共同研究など、大学がその社会的価値を高める手段としてスポーツ振興に力点を置く意義や可能性について、熱い討論が行われました。また自校では実績のない、他校の事例を知ることで、今後への新たなヒントを得た参加者も少なくない様子でした。
ディスカッション終了後の質疑応答では「スピード感を持って、大学スポーツに関する事業展開を図るうえで大切なことは?」「必要となる資金の財源は、どうすれば確保できる?」など、これからスポーツ統括組織の形成を模索する大学などが現実的な内容を問う場面も見られました。
最後にまとめを行なった、本学・浦久保統括ディレクターは「大学におけるスポーツの価値を見出し、新しい価値を生み出そうとする方々と、引き続きこのような会を催していきたい。それが結果的に『大学による体育・スポーツの振興』につながっていくと思う」と結び、今後への意気込みを語りました。
これからも本学では、大学スポーツを推進する大学、組織、企業との連携を深め、スポーツで社会に貢献する大学のあり方を追求していきます。
なお、ディスカッション等の詳細な内容については後日、改めて本ホームページにて掲載する予定です。
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