11月29日(木)本学中央棟にて、本学の教職員、浪商中学校及び高等学校教職員、大阪府内及び近隣の教職員及び自治体関係者に向けた指導者セミナー「大学運動部の発展のために~学生アスリートを、クラブを、自分を守るために~」が開催されました。
講師として登壇したのは岡本大典弁護士は、大阪弁護士会研修「スポーツ指導における体罰」(平成25年5月)、茨木市生涯スポーツ指導者養成講習会講演「スポーツ指導者に必要な法律知識について」(平成29年3月)といった講演活動を手がけ、直近では一般社団法人大学スポーツコンソーシアムKANSAIの監事を務めています。
大阪体育大学では、2015年の開学50周年に策定した大体大ビジョン2024の「拠点づくりビジョン」の具現化をめざし、2018年4月にスポーツ局を開局、運動部やアスリートの支援、スポーツ事業の推進を図り、体育学・スポーツ科学・教育学の研究・実践・人材の力を活かし、その拠点形成に取り組む専門組織として始動しています。
昨今スポーツ界においては、暴力事件や様々なハラスメント、そして競技団体のガバナンスやコンプライアンス面での問題も明るみになっており、学生スポーツにおいても同様の懸案として大きく捉えられています。そのような中、実例を基にした本セミナーは、スポーツに関する法律問題への理解を深める貴重な機会となりました。
講演は、事故・ハラスメントの防止、コンプライアンス・ガバナンスなどの不祥事防止、ドーピングといった3つのテーマで進められました。その後の質疑応答・ディスカッションの時間では、「体罰と懲戒の違い、範囲」や「責と暴言の違い」といった質問に対し、実例を引用してのディカッションを展開。専門家である弁護士ならではの、現場のニーズに寄り添った内容のセミナーとなりました。
備考・その他情報
1.講演内容:大学運動部の発展のために~学生アスリートを、クラブを、自分を守るために~
2.開催日時:2018年11月29日(木)14時40分~16時10分(4限目)
3.場 所:大阪体育大学
4.主 催:大阪体育大学 スポーツ局
5.講 師:岡本 大典( おかもと だいすけ)弁護士 大阪弁護士会会員、松柏法律事務所、大阪弁護士会スポーツ・エンタテイメント法実務研究会会員、一般社団法人 大学スポーツコンソーシアムKANSAI監事。
プロフィール:http://shohaku-law.main.jp/member3.html
6.当日は、冨田 英司 弁護士も同行で来校されました。
プロフィール:一般社団法人 大学スポーツコンソーシアムKANSAI 理事。
http://st-law.jp/tomita_sp/
指導者セミナー後のインタビュー
Q:講演後の所感、コメント
岡本弁護士:短い時間でしたが、(参加者)皆さんの熱い目線、熱意を感じ、(講演を)やってよかったと思います。
冨田弁護士:暴力・体罰、セクハラ・パワハラ、事故(防止)とかなりテーマが広く、(内容を)ぎゅっと詰め込んでいるので、できれば(それぞれのテーマで)ワークショップ(のような形)できればよかったとですが、とにかくやってよかったと思います。
Q「大学スポーツにおけるガバナンスやコンプライアンス」について、先生からみた現状認識や、一般社会とのずれはどうお考えですか?
冨田弁護士:そもそもスポーツ界はガバナンスやコンプライアンス意識が不十分な現状で、大学スポーツは特に問題が大きいという印象です。コンプライアンスとは、コンプライアンス規定の作成とコンプライアンス教育の両輪でやっていくのですが、大学ではコンプライアンス規定の作成はやろうと思えばすぐにできるが、コンプライアンス教育が進んでいない。大阪体育大学はそのなかでも、(コンプライアンス教育が)進んでいて、今日のセミナー(開催)につながっていると思いますが、ほかの大学でも、UNIVASやKCAAという団体でも、一定水準以上の内容の研修が行われるようになればと思っています。
Q: 本学は体育・スポーツ・教育の専門大学ですが、スポーツガバナンスの構築や、本学が果たすべき役割や、期待についてお聞かせください。
冨田弁護士:なぜコンプライアンスなのかというところを考えないと、「どこどこの規定に書いてあるからやっちゃだめ、SNSにあげちゃだめ」しか言えなくなる。岡本先生の(講演)話にもありましたが、自分を守って、スポーツを守って、クラブを守ってというところ、ひいてはスポーツの価値を高め、自分たちを守るコンプライアンスである、ということが分かれば、SNSにあげる前に少しはためらうでしょう。そもそも体育大学の学生はスポーツが好きで、価値を(一般の)僕らより知っているはずで、だからコンプライアンスを守りませんか、というようなことが、スポーツをやっている大阪体育大学の学生だからこそ、発信できると思うのです。
岡本弁護士:今日はたくさんの指導者にお越しいただいたが、不祥事は指導者も起こすが、学生も起こすもの。自分たちが情熱を注ぐスポーツの魅力を伝えるために、コンプライアンスを守るんだという意思を、学生から発信していくところまで行くと、ムーブメントが起こるのではないかと思います。
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