身体能力の高い子どもを選抜・強化し、世界で活躍する選手の育成をめざす「和歌山県ゴールデンキッズ」プログラムを、大阪体育大学がスポーツ科学で支援しています。3月1日(日)、トレーニングプログラムが大体大で実施され、小学5年から中学3年までの約60人がスポーツ科学センターなどのサポートを受けました。
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ゴールデンキッズたちの体力データを測定するスポーツ科学センターのスタッフ
ゴールデンキッズは、和歌山県が体力テストなどで選抜した小学3、4年をゴールデンキッズに認定するもので、各種プログラムで育成します。修了後も中学3年まで継続的なフォローアップが受けられます。持続可能な競技力向上施策として2006年、全国に先駆けて始まりました。年間を通して基本的に月2回の身体・食育・知的などをテーマにした育成プログラムに参加するとともに、保護者を対象としたサポートプログラムもあります。
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開会式であいさつする梅林薫スポーツ局長
サッカーU―20W杯日本代表のセレッソ大阪・北野颯太選手をはじめ、カヌーW杯女子日本代表、レスリング男子世界選手権代表、プロ野球選手など有力選手を多数輩出しています。
大阪体育大学は、関西圏のトップ・ジュニアアスリートや、学校部活動などを対象にしたスポーツ医・科学サポートを実施する「関西スポーツ医・科学サポートコンソーシアム」の6拠点機関の一つです。ゴールデンキッズにも長年関わり、キャンパスでのトレーニングプログラム実施は昨年に続き6回目となります。スポーツ局の梅林薫局長は「コンソーシアム6拠点の中で、本学の強みは子どもたちを指導する学生の存在だ。うちの強みを活かして社会に貢献していきたい」と話します。
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プロ野球チーム並の設備があるS&Cルームを見学する子どもたち
この日、子どもたちは開会式で梅林局長のあいさつを聞いた後、2班に分かれてプログラムに臨みました。
大阪体育大学浪商高校体育館では、スポーツ科学センターの佐藤大典・測定評価ディレクターが指導し、体力測定が行われました。同センターは学生アスリートを最先端のスポーツ科学でサポートする組織で、測定評価、AT、S&C、心理、栄養の5部門が連携しています。子どもたちは20m走、方向転換能力を評価するプロアジリティ、ともにジャンプの動作で下肢のパワーを測るカウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、リバウンドジャンプ(RJ)の4項目について測定。夕方には個人の数値、順位、評価などが詳細に記された結果表が1人1人に手渡され、佐藤ディレクターがデータの意味などを解説しました。
また、村上知子・栄養ディレクターは今年度だけで10回ほどプログラムに参加し、子どもたちに栄養の知見を伝えています。この日も夕食を終えた子どもたちにアドバイスを行いました。
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子どもたちに体力測定の結果をフィードバックしデータの意味を解説する佐藤大典・測定評価ディレクター
このほか、競技では、ハンドボール、体操を体験しました。ハンドボール専用の第5体育館では、インカレ11連覇中のハンドボール女子部員が指導し、子どもたちはミニゲームを実施しました。第3体育館の体操競技専用フロアでは、子どもたちは全6種目をローテーションで回りました。体操競技部男子部員のサポートで鉄棒やつり輪にぶら下がり、あん馬などに挑戦。部員のデモンストレーション演技に歓声が上がりました。
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インカレ11連覇のハンドボール部女子部員の指導でミニゲームに取り組む子どもたち
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子どもたちは体操競技部員の指導で6種目すべてを体験した
さらに、スポーツ科学部・冨山浩三教授の指導でチームビルディングに取り組みました。チームビルディングはチームのメンバーが協力し合い、効果的にコミュニケーションを取り、共通の目標に向かって働く能力を高めるための活動です。10人ずつ輪になった子どもたちが一人ずつフラフープをくぐってタイムを競うプログラムでは、最初に30秒ほどかかった班がみんなで話し合って2回目は10秒以上タイムを縮めました。
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冨山浩三教授の指導でチームビルディングに取り組む子どもたち
和歌山県企画部企画政策局スポーツ課競技力向上推進班の九野桃佳主査は「ゴールデンキッズのプログラムは、神経系の発達が最も盛んなゴールデンエイジといわれる9~12歳の年代の子どもたちの土台を作り、トップアスリートに育てることが目的。大体大の充実した施設を使わせていただき、トップアスリートが普段どういったところで練習しているのかを知ることが、子どもたちの意識向上につながる」と大体大との連携の効果について語ります。
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キャンパスの高台から大体大のスポーツ施設をながめる
参加した、和歌山市立高松小学校6年の大西春麻さんは、今年2月の全国少年少女選抜レスリング大会で優勝した逸材です。「食事などの管理を自分でできるようになるため、ゴールデンキッズの選抜テストに参加したいと両親に話した」といいます。目標は2032年ブリスベン五輪金メダル。初めて大体大でのプログラムに参加し、「体育の名前が付くだけあって、スポーツ施設がすごく充実していた」と振り返りました。
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「目標は2032年ブリスベン五輪レスリング金」と話す大西春麻さん
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