グッドコーチ養成 社会人向けスポーツ指導者育成講座 ソフトバンクとのICT活用連携
スポーツ・レジャー設備・サービスの総合展示会「レジャー&スポーツジャパン2025 in Okinawa」が2月22日(金)、前日に引き続き、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開催されました。大学として唯一、ブースを出展している大阪体育大学は、主催セミナー「産学連携による運動部活動改革の挑戦:大学が描く未来のスポーツエコシステム」を実施。4つのテーマについて教職員が説明した。会場には多数のビジネスパーソン、高校教員らが詰めかけ、熱心に聴講しました。
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会場ではビジネスパーソン、高校教員ら多数が聴講した
1・「大学紹介・趣旨説明」
スポーツ科学部の藤本淳也教授(スポーツマーケティング)が担当しました。大体大が東京オリンピック翌年の1965年、東京五輪選手強化対策本部長の大島鎌吉、日本体育学会創設メンバーの加藤橘夫氏を迎えて西日本初の体育大学として創設されたこと、「本物を学び、極める」をテーマに、本物の教育力、本物の研究力、本物の社会貢献力の醸成をめざしていること、スポーツ科学の幅広い領域をカバーするスポーツ科学部6コースを備え、日本を代表するスポーツの総合大学であることなどが説明されました。
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藤本淳也教授「大体大は本物を学び極める、スポーツの総合大学です」
2・「グッドコーチの育成とその社会的意義」
スポーツ科学部の土屋裕睦教授(スポーツ心理学)が説明しました。土屋教授は長年、日本オリンピック委員会(JOC)スポーツ科学サポート部門員として、日本代表選手のメンタルサポートを担当しました。パリ五輪ではウェルフェア・オフィサーとして日本選手団に加わり、「パリ五輪では女性アスリート、さらにはマザーアスリートの活躍、スポーツ医・科学の活用など世界に誇る、日本独自の成熟したスポーツ文化を感じた」などと大会を振り返りました。また、文部科学省「スポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議」委員として、体罰に頼らない「グッドコーチ」の育成に取り組み、日本の主要スポーツ団体が一体になってスポーツハラスメント根絶をめざす「NO!スポハラ」に活動の中心となって取り組んでいることなどを説明しました。
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土屋裕睦教授「体罰に頼らないグッドコーチを育成したい。愛のムチは単なる無知です」
3・「運動部活動改革プロジェクトの概要と現状」
全国に先駆けて各クラブの統括組織として誕生したスポーツ局の河島晋太郎統括ディレクターが担当しました。大体大が2019、20年にスポーツ庁から部活動改革プランを受託したことを機に、全国に先駆けて運動部活動改革プロジェクトを始動。活動の柱は2本あり、1本目の現役学生対象の「グッドコーチ養成セミナー」は中学校の運動部活動や地域のスポーツ団体などで指導する学生を養成するため、法令、事故対応などの危機管理、部活動のマネジメントなどを教え、修了証を発行して指導者としての質を担保し、2021~24年で延べ219人の学生・大学院生が受講したこと、同時に、教育委員会などの要請に応じて学生を部活動指導員などとして学校に紹介(マッチング)する事業に並行して取り組み、2023年度は29人、24年度は57人の学生・大学院生が中学・高校などで部活動指導に従事していることなどを報告しました。
2本目の柱の「運動部活動指導認定プログラム」は社会人対象のリカレント講座で、スポーツ指導経験のない社会人が部活動や地域スポーツの指導者をめざし、あるいはスポーツ指導者がリスキリングの機会として受講しています。オンデマンド中心の約5か月間、60時間の講義を受講すると、学校教育法に基づく履修証明書が発行されるほか、日本スポーツ協会(JSPO)公認コーチングアシスタント資格を取得できる。2023年度は春秋の2期で20歳から70歳の会社員、団体職員、公務員などが全国から受講。全国の自治体による集団利用が増えている。さらにソフトバンク株式会社と連携協定を締結。学生によるICTを活用した部活動指導が進み、指導の質向上や遠隔地と大学を結んだ指導に効果をあげていることも報告されました。
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河島晋太郎統括ディレクター「2024年度だけで本学の学生57人が中学校などで部活動指導に従事しています
4・産学官連携によるスポーツエコシステムの構築に向けて
藤本教授が担当しました。藤本研究室の調査では、全国の大学ウェブサイトでSDGs専用ページがあるのは35%、17目標記載のスポーツSDGs関連活動の報告があるのは12%にとどまっています。大体大ではスポーツSDGsウェブサイトを構築し、スポーツSDGsに関する取り組みをニュースとして情報発信している。さらに今後は企業と協力した大学スポーツエコシステムの構築をめざしていることなどが報告されました。
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