スポーツ科学部の土屋裕睦教授(スポーツ心理学)が2月3日(月)、『アスリートのための「こころ」の強化書:メンタルトレーニングの理論と実践』を出版しました。
土屋教授は日本スポーツ心理学会理事長。公認心理師、スポーツメンタルトレーニング上級指導士として、大阪体育大学の学生アスリートはじめ、プロ野球やラグビー、サッカーチームの心理サポートにあたっています。また日本オリンピック委員会科学サポート部門員として長年、日本代表選手のメンタルトレーニングを指導。パリ2024五輪ではウェルフェア・オフィサーとして日本選手団に帯同し、約1か月にわたりTeam Japanの心理支援に携わりました。
土屋教授によると、トップアスリートでさえ「自分はメンタルが弱い」と考えている選手が少なくなく、メンタルは単純に強い・弱いと考えるのではなく、心理面でさらに伸びしろ(成長の可能性)があると捉えて前向きに、自己発見的に向き合うのが良いといいます。
本書は競技者を悩ませる「こころ」の問題への対処法を、具体的な事例を示しながらわかりやすく解説しています。第3章の「行動変容のための目標設定」では、「やる気は気分に属して変わりやすいが、動機づけは行動を支える理由、根拠であり、動機づけが明確になれば、どんな時でも喚起され、強化される。やる気がなくても動機づけがはっきりしていれば行動は不変」としています。
第4章の「あがりの予防と対処法」では、「緊張=悪」は誤解であり、それぞれのアスリートで緊張や興奮の状態の至適水準が異なることを理解し、緊張を味方にするためのスキルを身につけることが重要だとしています。アスリートやコーチだけでなく、一般のビジネスパーソンのこころのしなやかさ(レジリエンス)やウェルビーイング(心理社会的幸福)にも役立つ内容が含まれています。
草思社、272ページ、2640円。
<『アスリートのための「こころ」の強化書』>
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