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2024.12.07

「体育・スポーツのDXを考える」シンポ 沼田講師が来春開講スポーツデジタル論を報告

 「体育・スポーツ・健康系の領域におけるDXを考える」をテーマにしたシンポジウムが12月7日(土)、大阪市内で開催されました。パネルディスカッションでは、大阪体育大学スポーツ科学部・沼田薫樹講師がパネリストを務め、大阪体育大学で2025年春に開講するスポーツデジタル論の詳細やバレーボール部男子でのデジタルの活用などを「スポーツDXの事例から未来を展望する」と題して紹介しました。
 シンポジウムは全国体育系大学学長・学部長会が主催し、グランフロント大阪のナレッジキャピタル・コングレコンベンションセンターで行われました。

 沼田講師はゲームパフォーマンス分析、測定評価などが専門領域で、バレーボール部男子監督。2025年度開講のデジタルスポーツ論Ⅰ・Ⅱを担当します。また、日本バレーボール協会情報戦略ユニット、日本バレーボール学会理事を務めています。
 シンポジウムでは、まず大阪体育大学で進むDX化として、ノートパソコンの必携化や今年4月3~9日に実施した、オンデマンドでのガイダンスを推奨するデジタルエデュケーションウィークなどを紹介しました。スポーツデジタル論について、「エンターテインメント、トレーニング・教育、デジタル技術を使った分析、デジタル技術の応用の4分野について、基礎的な知識を習得し、実践的・体験的な授業を通じて理解することが目的」と説明。カリキュラムは「球質データ・アイトラッキング」「ウェアラブルデバイス」「フィジカルeスポーツ」「スカウティング・ゲーム分析」「ICT×教育・生成AI」「スポーツマーケティング・SNSの活用」「メタバース/AR技術」から成り、本学教員のほか、IT企業による講義も予定されているとしました。
 沼田講師が担当するフィジカルeスポーツでは、学生がバーチャルサイクリングの「Zwift」などを体験します。沼田講師は「没入体験と身体活動を通してデジタル×スポーツを理解してもらう」と説明しました。

沼田薫樹講師


 このほか、バレーボール部男子での部活動のデジタル化として、スポーツ科学センターの各部門のサポートとコンディション管理ソフト「ONE TAP SPORTS」の活用を通した選手の体づくりを報告しました。例えば、栄養部門では、選手は料理の画像をソフトで毎日、送信します。11月に近藤衣美講師(スポーツ栄養学)らが栄養セミナーを実施した後は、送られてくる料理の画像にオレンジジュースや豆腐、緑黄色野菜が増え、選手の意識の変化が画像で確認できたといいます。

 シンポジウムではこのほか、スポーツ領域におけるITソリューションを提供している株式会社ユーフォリアの田中孝R&Dセンター長、ユーフォリアONE TAP SPORTSチームの楠本一樹さんが基調講演をし、パネルディスカッションでは、鹿屋体育大学スポーツ情報センター長・教授の和田智仁さんがファシリテーターを務め、株式会社ティップネスDX戦略部長の竹尾賢二さん、B.LEAGUEバスケットボールオペレーショングループの数野真吾さんがパネリストを務めました。

原田宗彦学長


 最後に、全国体育系大学学長・学部長会副会長の大阪体育大学・原田宗彦学長が「大学は様々な改革が必要だが、その一つにスポーツDXがある。大阪体育大学では今年度から体育学部をスポーツ科学部に改組し、次年度からスポーツデジタル論が始まる。eスポーツの授業には慎重な声もあるが、あえてカリキュラムに組み込んだ。今日の議論は新しいことを考えていく、いいきっかけになったと思う」とあいさつしました。

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