眠れるヘラクレス達に復活の予感が漂います。関西大学ラグビーBリーグの決勝が12月1日、東大阪市花園ラグビー場で行われ、大阪体育大学が龍谷大学をノートライに抑え、31―3で快勝し2連覇を果たしました。今年2月、長崎正巳GMが監督を兼任し、チームは厳しい練習に耐えた自信から雰囲気が大きく変わりつつあります。12月14日の入替戦で2019年以来のAリーグ復帰をかけて、Aリーグ最下位の関西大学と対戦します。3年連続ではね返されてきたAの壁だが、長崎監督は「準備は万全」と言い切ります。
決勝は、前半5分、SO小野田武流(体育2年、常翔学園高校出身)が左サイドを走って先制トライ。その後は相手の攻撃を、ビッグタックルを連発して耐え、前半終了間際にいずれもラインアウトからモールで押し込み、最後はシオネ・マウ(体育4年、高知中央高校出身)が2トライを決め、前半を19―3で折り返しました。
後半は戦術的交代で選手を多数入れ替えましたが、FWの圧力やディフェンス力が落ちることもなく2トライを重ね、快勝しました。
今季、ラグビー部は「完全優勝」を掲げてBリーグに臨みました。Aリーグ昇格のためにはその過程が重要とし、Bリーグでのセットプレー、ディフェンス、アタック、ブレイクダウン(接点)などすべてで圧勝をめざすものです。昨年に比べて、とくにディフェンス力が大幅に向上しました。長崎監督は決勝を「完全優勝をめざす中でノートライに抑え、最高のゲーム。前半は我慢して守り、40分を超えてから2本取ったのは今年のラグビーを象徴している」と話します。
長崎監督は昨年7月、GMに就任。今年2月、監督を兼務しました。昨年の反省として、「Bリーグの甘さ」を挙げる。12月の同志社大学との入替戦も、ブレイクダウンでのコンテスト(ボールの争奪)で劣勢に立ったことが敗因でした。
すべての練習で質量や強度を上げました。それができたのは体の土台を作れたから。走り込み、ウェートトレ、体を当てること。ベース作りに時間をかけ、食事も改善しました。
フィジカルの土台作りの成果で、昨年までは1試合で数人出ていたけが人が、今年は劇的に減りました。その影響でリザーブの8人が充実。23人の誰が出てもそん色ないチーム作りができました。
この日の試合も後半、戦術的な交代で多数選手を入れ替えましたが、FWの圧力もディフェンス力も変わらず、2トライを重ねたうえ、失点を許しませんでした。
大体大ラグビー部は「ヘラクレス軍団」の愛称で、名将・坂田好弘元監督のもと2006年には全国大学選手権で4強に進みました。しかし、近年は低迷し、2019年、Aリーグで最下位となり、入替戦で敗れてBリーグに降格。2020年はBリーグで優勝しましたが、コロナ禍のため入替戦が実施されず、2021年は関西学院大学に17―48、2022年は摂南大学に13―45、2023年は同志社大学に21―62と3年連続で入替戦の壁に阻まれています。
堀田凌永主将(体育4年、京都成章高校出身)は「痛いこと、つらいことを1年間通してやり抜き、昨年とは全然違うぐらい走り込んできた。自信を持って入替戦を戦える」と話します。
長崎監督は「今まで計画通りに来ている」。ヘラクレス復活はなるでしょうか。
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