大阪体育大学と大阪府泉佐野警察署が10月24日(木)、自主トレ中のランニングパトロール(ランパト)などで安全・安心なまちづくりをめざす包括連携協定を締結し、クラブ生ら学生18名が警察ボランティアとして委嘱されました。
大阪府警が人的交流を目的に大学と連携協定を結ぶのは、初の試みです。
協定は、今年4月、スポーツ科学部の学生が電車内での盗撮事件で容疑者逮捕に協力し、泉佐野署から感謝状を贈られたことがきっかけです。多くの学生が社会貢献活動に強い興味を持つ一方で何ができるのか分からずにきっかけを探しているという学生の声を泉佐野署が聞き、泉佐野署から安心・安全なまちづくりへの協力の呼びかけがあって実現しました。
警察ボランティアとなる学生18名は大半がクラブ生です。防犯アプリ「安まちアプリ」に登録し、普段通りの日常生活を送りながら、アプリに配信される不審者情報などを参考に警察に協力します。また、自主トレやジョギングを兼ねて街中をパトロールするランパト、SNS上の有害情報や犯罪情報を見つけて警察に情報提供する「サイバーパトロール」、防犯・交通マナーなど各種キャンペーン活動への参加が想定されています。
本学の学生は2023年度で44名が警察官採用試験に合格するなど、例年、警察官志望の学生は数多くいます。協定を受けて、警察関連施設の見学会や若手警察職員との意見交換会なども今後想定され、学生にとって、活動を通じて警察官の仕事に身近に接する機会が広がります。
締結式には泉佐野警察署・酒本和郎署長、大阪体育大学・原田宗彦学長が出席しました。酒本署長は「警察では以前から多様なボランティアの方にご協力いただいていますが、その後継者不足が喫緊の課題になっています。学生の皆さんには是非とも若い力を存分に発揮していただきたい」とあいさつしました。また会場には21年前から熊取町で行方不明となっている吉川友梨さん(当時小学4年)のポスターが掲出され、酒本署長は改めて事件解決に向けて情報提供を呼びかけました。
原田学長は「本学は建学の精神で社会奉仕、社会貢献が重要な使命であると定めており、連携協定は社会貢献の一助になると信じています。体育・スポーツを学ぶ本学の学生は社会での活躍に役立つ能力・態度・志向を示すジェネリックスキルが高く、リーダーシップや対人能力に優れ、明るく積極的なパーソナリティを備えているのが特徴です。警察ボランティアに委嘱される学生の皆さんはこれらの能力を地域のために発揮してください」と話しました。
来賓紹介の後、酒本署長、原田学長が互いに協定書に調印しました。
締結式には、いずれも体育学部3年の石川晃輔さん(硬式野球部、大谷高校出身)、正井信之介さん(同、須磨友が丘高校出身)、村上天基さん(同、総社南高校出身)、武田紗季さん(無所属、桐蔭高校出身)、星隈一輝さん(アメリカンフットボール部、西宮今津高校出身)、松本優斗さん(ライフセービング部、佐野高校出身)、山中菜々花さん(ソフトテニス部、和歌山信愛高校出身)、藤田咲貴さん(トライアスロン部、神戸野田高校出身)がランパトTシャツを着て参加し、酒本署長から1人1人に委嘱状が手渡されました。
締結式に参加した石川晃輔さんは幼いころから人を助けたいという気持ちが強く、警察官志望といいます。「警察官といっしょに活動できる機会は滅多にない」と警察ボランティアに応募しました。「ランニングパトロールのほか、地域の方と話をするなど接点を持って幅広く活動したい」と話しています。
正井信之介さんは「ゼミの活動で初めて障がいのある方と関わるボランティアを経験し、もっといろいろなボランティアを知りたいと思い参加した」と話しています。将来の進路は企業か公務員かまだ決めていませんが、「いずれにしろ人と接する仕事をしたいので、この活動を通じて警察の方が地域の方とどう関わっているのか知りたい」と活動に期待しています。
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