ハンドボール男子日本代表のトニー・ジローナ新監督(スペイン)が、「彗星JAPAN」第5回強化合宿(10月11~13日、東京・ANTC)に身長173㌢の荒瀬廉選手(体育学部4年)を招集しました。代表唯一の170㌢台ですが、独特の緩急、間(ま)など変幻自在のプレーが持ち味です。
荒瀬選手はジローナ新監督の初戦となった8月の国際試合、PSG(パリ・サン=ジェルマン)戦(代々木第1)でも招集され、4得点。「スピード、緩急をつけたフェイント、ブラインドなど自分の特徴を監督の前でアピールできたことが、今回の招集につながったのかなと思っている」と話します。
ポジションは、CB(センターバック)、RB(ライトバック)、RW(ライトウィング)。今回はRWで招集されました。PSG戦もRWで招集されましたが、途中からRBに。大学でも主にRBでプレーしています。
今回の代表メンバーの平均身長は186㌢。200㌢、190㌢台も少なくない中で、自ら「(173㌢は)めちゃくちゃ小さい」と苦笑します。中学生のころから体格の小ささに気づき、独自のプレースタイルを模索しました。自分の持ち味について「他の選手とは違う独特のフェイント。間(ま)の使い方。ディフェンスがちょっとでも隙(すき)を見せた瞬間にフェイントで抜いていくプレー」を挙げます。
有力な実業団チームが多いハンドボール王国の広島出身。小中学生で現イズミメイプルレッズジュニアでプレー。神戸国際大学附属高校を経て、大阪体育大学へ。U―16、U―19日本代表にも選ばれ(U―19はコロナ禍で大会中止)、U―21では2022年のジュニアアジア選手権で初優勝に貢献し、ベスト7に選ばれました。
また、大阪体育大学では主将を務め、11月の全日本インカレで6年ぶり11回目となる学生日本一をめざします。
日本男子は、パリ五輪に自国開催を除き自力で36年ぶりの出場を果たしましたが、予選リーグで5戦全敗。11位で大会を終えました。五輪後に就任したジローナ監督は「日本は体格でサイズがない分、スピードがあるハンドボールで勝つ」と選手に方針を示しています。荒瀬選手のスピードと緩急はジローナ・ジャパンの象徴となる可能性があります。
激しいコンタクト。攻守の切り替えの早さ、スピード、ジャンプ。ハンドボールの魅力について、荒瀬選手は「スピーディーな展開で得点シーンが多く、盛り上がる要素が数多くある。いつ何が起こるか、誰がシュートを打つのか、誰がどんなプレーをするのか分からない。ちょっとでも目を離したらシュートが決まっている。見ている人にも隙(すき)を与えないスポーツ」と話します。
「パリ五輪では、代表になった同学年の藤坂(尚輝)選手(日本体育大学)のプレーを見て、自分もフル代表に選ばれたいと思っていた。自分のような小さな選手でも日の丸を背負ってプレーできるというところをどんどん見せていきたい」。欧州など強豪の屈強な大男が並ぶディフェンスを、変幻自在に切り裂くプレーが期待されます。
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