パリパラリンピック競泳の女子100m平泳ぎ決勝(SB8)が8月31日(土)午前3時過ぎ(日本時間)に行われ、大阪体育大学水上競技部女子の宇津木美都選手(21)=教育学部4年、京都文教高校出身=が1分26秒42のタイムで5位に入りました。1年生だった2021年東京大会では1分28秒59で6位に入賞しており、タイムを2秒17、順位を一つ上げて、現役大学生として2大会連続での入賞を果たしました。
<共同通信配信>
<毎日新聞>
宇津木選手は30日(金)午後6時過ぎからの予選2組で、1分28秒15のタイムで2組4位となり、全体の8位で決勝に進出していました。
決勝の会場では選手が1人ずつ紹介されて入場し、宇津木選手は誰よりもはちきれるような笑顔で、両腕を高く突き上げて入場しました。最初の50mは40秒42で最下位の8位で折り返しましたが、そこから激しく追い上げ、順位を3つ上げました。
会場のパリ・ラ・デファンス・アリーナでは、応援に駆け付けた大阪体育大学の原田宗彦学長らが声援を送りました。原田学長は「宇津木さんはメダルを狙っていたので悔しいかもしれませんが、予選8位だったところを立て直して決勝で5位の結果は素晴らしい。東京大会から2秒以上タイムを縮めていて、メダルまではあと約2秒。次はメダルに手が届くと思います。また、将来の小学校の先生をめざして文武両道を実践していることも素晴らしい」とたたえていました。
宇津木選手は3歳で水泳と出会いました。中学1年の時にパラ競泳を紹介され、中学生で平泳ぎのアジア記録をマーク。しかし、高校1年で100mのタイムが約7秒も遅くなるなど不振が続き、泳ぐことが嫌になったこともありました。転機は2021年の大阪体育大学への入学です。水上競技部女子監督の浜上洋平・教育学部准教授と二人三脚でキック力を活かす泳ぎにフォームを改造。スランプを克服して、2021年東京大会に出場しました。宇津木選手は「コロナ禍で東京大会が延期されずに2020年開催だったら、確実に出場できていなかった」と振り返ります。
その後は昨年夏のパラ水泳世界選手権(英国)で4位に入り、10月のアジアパラ競技大会(中国)では競泳日本代表の主将を務めて4種目で銀メダル。順調に結果を出す一方で小学校からの講演依頼も相次ぎました。
将来の夢は両親と同じ小学校の先生になることです。教育学部の勉学も頑張り、昨年12月は母校の京都市立小学校で約1カ月間の教育実習。最初は肘から先がない右腕に戸惑うクラスの子どもたちに持ち前の明るさで接し、右腕で握手させるなど、障害のあるなしで壁を感じる必要はないことなどを教えました。
教育実習の後は「2か月間、食事も練習もすべてを水泳に注いで」、今年3月の代表選考会に臨み、7年ぶりに自己ベストを更新してパリ大会出場を果たしました。パリ大会では、競泳日本チームの副主将を務めています。
宇津木選手は9月2日以降、以下の種目に出場します。
9月2日(月)午後6時37分 混合4×100mメドレーリレー34ポイント予選
3日(火)午前3時4分 同決勝
3日(火)午後4時45分、女子100m背泳ぎ(S9)予選
4日(水)午前0時44分 同決勝
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