岡山県立岡山操山高校の野球部マネジャーだった男子生徒が2012年に自殺した問題について、スポーツ科学部の土屋裕睦教授(スポーツ心理学)が6月8日、県教育委員会が開いた再発防止のための有識者会合に出席しました。会合の模様が読売新聞などで紹介されています。
事件を調査した第三者委員会の報告書によると、マネジャーだった当時2年生の生徒が監督の男性教諭からたびたび叱責を受けて12年7月に自ら命を絶ちました。県教委は事件から6年後の2018年に第三者委員会を設置。第三者委員会は21年、報告書で自殺の原因を「教諭の叱責」と認定し、再発防止策の作成を求めていました。
8日の会合は、再発防止案について、4人の有識者から意見を求めるもので、土屋教授はハンドブックの作成にあたり、教職員が生徒の立場で学べるよう「男子生徒がどれほどつらい思いをしたのかを事例として示すべき」などと提言しました。会合を終えて土屋教授は、「私たち指導者は学ぶことをやめたら教えることはできません。この悲しい事案を自分事として捉え、学びの糧にすることが再発予防につながるのでは」と述べています。
土屋教授は日本スポーツ心理学会理事長。公認心理師・スポーツメンタルトレーニング上級指導士として日本代表選手やプロスポーツチームの心理支援を実践しているほか、体罰などとは無縁なグッドコーチの育成に取り組み、スポーツ現場での暴力・暴言など「スポーツ・ハラスメント」(スポハラ)の根絶を目指す「NO!スポハラ」活動の実行委員を務めています。
<読売新聞記事>
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