中学などでの運動部活動の指導にあたる学生を育成する大阪体育大学の「グッドコーチ養成セミナー」(隔週月曜5限)で6月10日、学生たちが熱中症対策を学びました。
今回のセミナーは「安全・障害予防に関する知識・技能の指導」がテーマで、夏の暑さが本格化する前に、スポーツ現場での熱中症の対処法や予防策を身につけてもらおうと、スポーツ科学部の﨑濱星耶講師(アスレティックトレーニング学)が講義を行いました。
﨑濱講師は、「スポーツ現場での労作性熱中症は、高温・多湿の環境で発生する」とした上で、熱中症の中でも、過度な体温上昇で意識障害などを引き起こす「熱射病」を「死の危険のある緊急事態」と挙げ、注意を呼びかけました。
この対応として、「アイスパックの効果はほぼないに等しい」と指摘した上で、「全身の冷却方法としては『冷水浸漬』という氷水を用いた冷水浴法が最も効果的」と話しました。
また、バスタブや桶などがない場合に冷水浴法を実施する際の代替法として、ブルーシートに熱中症患者を寝かせ、シートの四方を救助者が持ち上げて簡易プールを作り、熱中症患者を氷水に漬ける方法も紹介されました。
セミナーでは、予防法についての質問もあり、崎濱講師は「少しずつ体を暑さに慣らすことが重要」とした上で、「暑さに慣れるには1週間から2週間かかるため、その期間の練習時間や練習強度を検討することも大切」とアドバイスしました。
また、体調不良が影響することも多いとして、暑い時期の体調管理や十分な睡眠時間の確保などを呼びかけました。
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