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2024.05.16

運動部活動指導認定プログラム第3期が開講 ~部活動・スポーツ指導人材養成の社会人向け講座

 大阪体育大学は、運動部活動や地域のスポーツクラブなどの指導に携わる人材を養成する社会人向けリカレント講座「運動部活動指導認定プログラム」を2023年から春秋に実施しています。3期目となる24年度春開講の開講式と講義が5月11日(土)、大阪市北区天満の大阪体育大学アネックス(同窓会館)で、対面・オンライン併用のハイフレックスで行われました。

◆受講生40人が「部活動の意義」「部則の策定」で議論
 受講生は会社員、公務員、スポーツ施設勤務、報道関係者など約40名。開講式はそれぞれ約20名が対面、オンラインで参加。最初にスポーツ科学部の藤本淳也教授が大学の歴史と本学の運動部活動改革プロジェクトの流れについて説明しました。
 講義は、運動部活動改革プロジェクトチームリーダーの中尾豊喜教授が担当しました。第1講の「部活動の意義と位置付け」では、部活動について中学校学習指導要領(平成10年告示)までは記載がなかったが、平成20・29年告示は総則に「学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう」位置付けられていることなどが説明されました。参加者は部活動のプラスとマイナス面、意義や位置付けについてグループごとに議論しました。
 第2講の「生徒指導に係る対応」では、対面、オンラインそれぞれの参加者が学校の教師像を理解し、部員を受容することや部員が存在感を感じられるような活動を目指すこと、部員の意思決定の機会を保障することの大切さを確認しました。その後、「部則の策定」をテーマにグループごとに議論し、結果を発表しました。
 <写真下に記事が続きます>

◆スポーツ庁受託を契機に「運動部活動改革プロジェクト」を本格化
 本学は2019、20年度にスポーツ庁から「運動部活動改革プラン」事業を受託したことを契機に運動部活動改革プロジェクトを本格化させました。
 運動部活動は、教員が多忙のため学校で十分な指導ができず、中学校では週末の部活動を地域に移行する方針が決まるなど大きな転換点を迎えています。資質や能力を備えたスポーツ指導者の確保が急務になっています。
 このため、本学では、中学校などでの運動部活動指導を希望する学生に向けた教育プログラム「グッドコーチ養成セミナー」を2021年度に開設。学校教育や部活動指導員制度、コーチングの基礎、スポーツ倫理、事故対応など指導に必要な事項を学生に教えています。また、本学は各自治体に、競技や条件が希望とマッチした学生を紹介。多数の学生が中学校などで指導にあたり、ソフトバンク株式会社と連携した部活動へのICTの活用も進めています。

◆国内初の取り組み。受講修了者はJSPO公認「スポーツコーチングリーダー」資格を取得
 運動部活動指導認定プログラムは、「グッドコーチ養成セミナー」のプログラムを社会人対象として発展させた内容で構成され、文部科学省・厚生労働省の認定を受けたプログラムで、2023年度にスタートしました。
 運動部活動指導認定プログラムは、オンデマンド必修50時間、ハイフレックス10時間のカリキュラムを修了すると、本学が発行する修了証に加え、学校教育法に基づく「履修証明書」が交付されます。
 また、受講者は日本スポーツ協会(JSPO)公認スポーツコーチングリーダー(旧コーチングアシスタント)資格を取得できます。
 これまでに全国から100名以上が受講し、文部科学副大臣やスポーツ庁の担当者が本学を視察するなど、「グッドコーチ養成セミナー」とともに、国内初の先進的な取り組みとして注目を集めています。

◆受講生「教員の視点を学び、外部指導者として役立てたい」
 今回は、地域のスポーツチームの指導者や中学校などでの運動部活動指導員など多彩な経歴の方が参加しました。
 福岡県在住のスポーツトレーナーの男性(25)は、中学で軟式野球部、高校で硬式野球部の外部指導者を務め、参加した理由について「教員の立場から見る部活動についてよく分からなかったので勉強したい。救急対応や部活動としての注意点などについても詳しく学びたい」と話しています。
 兵庫県内の公営スポーツ施設で指定管理業務を担当する女性(51)は、新聞記事を見て応募しました。「スポーツ施設での企画を考えるのに参考になればと思い参加した。講義では、指導に当たって教員、指導者と生徒とのコミュニケーションが最も大事だということが印象に残った」と感想を述べました。

◆高知県は県の事業として大体大のプログラム受講と学生の部活動派遣を推進
 プログラムには、本学とスポーツ振興・地域活性化などで包括連携協定を結ぶ高知県から高知工科大学生4名、県の地域おこし協力隊員2名が参加しています。昨年春も大学生2名と高知県スポーツコミッション事務局のスタッフが受講し、大学生2名は受講後、中学のバレーボール部と卓球部で部活動指導にあたっています。同コミッションでは、「県とともに推進する地域スポーツ支援事業では、中山間地域の運動部活動指導の担い手不足の解消のため、県内の学生らに大阪体育大学の運動部活動指導認定プログラムを受講してもらい、学校現場に指導員として派遣することを事業計画として定め、推進している。プログラムでは県内では学ぶことができないスポーツ指導における専門的な知識や学校現場でのリスク管理、生徒との接し方などの授業が参考になり、現場指導で活かされている」としています。

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