令和6年度大阪体育大学大学院・大阪体育大学入学式が4月2日、大阪府泉佐野市のスターゲイトホテル関西エアポートで挙行されました。
今年度から体育学部が組織改正されてスポーツ科学部が開設されました。入学生は、学部生がスポーツ科学部1期生568名、教育学部10期生172名の計740名(前年度比68人増)、大学院生は博士後期課程9名、博士前期課程27名の計36名(同8人増)で、合計776名(同76人増)です。
入学式は新型コロナウイルス感染症対策のため様々な制限がありましたが、昨年から新入生が一堂に会し、ご家族・関係者の方も参加して実施されています。
式では、入学生1人ひとりの氏名が読み上げられた後、原田宗彦学長が入学を許可しました。続いて原田学長が式辞を述べ、野田賢治・浪商学園理事長があいさつし、新入生を歓迎しました。
また、藤原敏司・熊取町長からご祝辞をいただきました。
その後、入学生を代表し、大学院・吉岡芳泰さん、スポーツ科学部・内藤優依さん(愛知県立国府高校出身)、教育学部・平井悠翔さん(広島県立賀茂高校出身)が宣誓をしました。
最後に学歌を清聴し、閉式しました。
【原田宗彦学長 式辞】
新入生の皆さん、大阪体育大学へようこそ、そして、ご入学、誠におめでとうございます。また、ご家族の皆様、心よりお祝い申し上げます。大阪体育大学学長として、全構成員とともに、皆様をお迎えすることができ、大変嬉しく思っております。この春、大阪体育大学には、新たに改組されたスポーツ科学部に568名、教育学部に172名、大学院博士課程の前期課程に27名、後期課程に9名、合計776名の皆さんが入学されました。
皆さんは、これから始まる大学生活に向けて、大きな期待と少しの不安を感じているのではないでしょうか?大学は高校と異なり、どのような授業を履修するか、どのようなゼミを選ぶか、そしてどのような部活動やサークル活動を選ぶか、皆さんの意思と行動が尊重されます。また学外でのアルバイトやボランティア活動、そしてインターンシップなど、在学中の生活を自由に設計することができます。その一方で、「自由には責任が伴う」と言われるように、高校時代と異なり、大学生活における学びの成果は、皆さん自身の努力に委ねられます。何を目標にするのか、何を習得するのか、そして長い人生に備えてどのような準備をするのかなど、時間をかけて熟考し、早い時期に明確な指針を定めて欲しいと思います。
そこでこれからの大学生活に向けて、幾つかのアドバイスを差し上げたいと思います。最初は、アドバイスというよりもお願いに近いものですが、自分のリミッターを外すことです。自分が定めた心理的な限界を、軽々と超えて欲しいと願います。皆さんが今感じている「これ以上は無理」という心理的な限界は、現時点での限界です。これはスポーツでも勉強でも同じです。大学とは、明日の自分を描くために、大きく成長する機会を与えてくれる場所であることを自覚して下さい。アメリカの作家であるデニス・ウェイトリーは、「できると信じたなら多分できるだろう。できないと信じたらきっとできないだろう。信念は、あなたを発射台から送り出す点火スイッチだ」という言葉を残しています。
皆さんが持っている可能性の大きさは、誰にもわかりません。皆さんを育ててくれた保護者の皆さんや、ご家族の皆さんにもわからないのです。なぜならば、それは未来の出来事であり、予測ができないからです。その一方で、どのような未来を描くのかは、皆さんの信念や心構え次第です。できると信じることが大切です。これが点火スイッチとなり、ひとつひとつ夢を実現していくことが可能になります。
私は、「大きな夢、小さな一歩」という言葉が好きです。これがふたつ目のアドバイスです。大きな夢を描きながら、まず着実に、いまできる小さな一歩を踏み出すことが大事です。学問に王道なしと言われるように、事をなすには、小さな一歩を着実に積み上げていくことが大切です。これはスポーツにおいても同様で、地道な基礎練習やトレーニングを積み重ねないと、競技成績は伸びませんし、チームのパフォーマンスも向上しないのです。
3つ目は、ドジャースで活躍する大谷翔平選手からの学びです。良く知られているように、大谷選手は17歳の時に将来の未来予想図を描き、それを着実に実現していきました。それが、マンダラートと呼ばれる、紙に9つのマスを用意し、それを埋めていくことでアイデアを整理することができる手法です。まず、3×3の9つのマスの中央にメインの目標を書き入れ、その周囲の8つのマスに関連事項を記します。次に8つのマスに書かれた目標を別の3×3の9つのマスの中央に書き入れ、同様に繰り返し3×3×9イコール81のマスをすべて埋めていく手法です。ここですべてを説明することはできませんが、大谷選手は、まず「8球団からドラフト1位で指名される」という目標を立て、それをメインに据えました。そしてその周りに、体づくり、コントロール、キレ、スピード(160km)、メンタル、変化球、人間性、そして運の8つのマスを配したのです。
私が注目したのは、運に関連するマス目です。大谷選手は、運を中心に8つの目標を立てました。これらは、あいさつ、ゴミ拾い、部屋そうじ、道具を大切に使う、審判さんへの態度、プラス思考、応援される人間になる、そして本を読むという、ちょっとした心がけで実現が可能なものばかりです。これらをすべて実現することで、大谷選手は着実に階段を駆け上がっていきましたが、皆さんの成長にとっても、参考になる実現可能なマス目ではないでしょうか?大谷選手のマンダラートは、ネットで検索すればすぐに見つけることができます。一度これを検索して皆さん自身の未来予想図をつくってみてはいかがでしょうか?
皆さんは、本日から大阪体育大学の学生になりましたが、大阪体育大学は、皆さんの将来の進路選択に向けて手厚い支援を行っています。教員志望の皆さんには教職支援センターがあり、一般企業の就職に向けてはキャリア支援センターがあります。また部活動に熱中し過ぎて単位取得に黄色信号が灯った学生に対しては、学習支援室がサポートを行います。大学が提供するこれらのサービスを、早い時期から充分に活用して欲しいと思います。
体育やスポーツ、そして教育の世界は広く、やりがいのある仕事が多くあります。幼稚園、保育園、特別支援学校、小学校、中学校、高校の教員、警察官、消防官、自治体職員といった就職先もあれば、大学院への進学を経て大学教員や高度な専門職を目指す道も拓かれています。さらにアスリートとして、国内外のプロスポーツや、実業団チームへの挑戦も可能です。加えて、多様なスポーツ関連企業や一般企業からの求人も多くあり、皆さんの将来には多様な選択肢と可能性が広がっているのです。
最後に、皆さんの新しい大学生活が希望と夢に満ちたものであることを祈り、その実現に向けての一歩を踏み出された皆さんに、心からエールを贈ります。
本日はおめでとうございます。
【野田賢治理事長 あいさつ】
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。浪商学園の建学の精神は「不断の努力により智・徳・体を修め社会に奉仕する」。この精神を体現できる人材を育成することが学園の使命です。大学は来年開学60周年を迎えます。開学1年前の1964年に開催された東京五輪で選手団長、選手強化対策本部長を務めた大島鎌吉先生を副学長に、東京五輪の国際スポーツ科学会議委員でのちに日本体育学会会長になる加藤橘夫先生を学部長に迎えました。当時はスポーツ科学の黎明期であり、東京五輪を中心となって支えたお二人を招くことができました。体育・スポーツの最先端におられた二人の思いが大阪体育大学に大きく影響を与え、今もその思いは脈々と受け継がれています。新入生の皆さんは伝統を受け継ぎ、体大生としての自覚を持って日々研鑽に励み、体育・スポーツのフロンティアをめざしてほしいと思います
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