中学などでの運動部活動の指導にあたる学生を育成しようと、大阪体育大学では学生を対象にした「グッドコーチ養成セミナー」を2021年度から開講していて、学生たちがコーチングの基礎をはじめ、スポーツ倫理、事故対応などを学んでいます。
トレーニングを積んだ学生は、自治体などからの要望を受け、中学・高校などで部活動の指導にあたっていて、学生たちが知識や技術を生かして部活動の支援に貢献するとともに、スポーツ指導者としての実践的な学びにつなげています。
グッドコーチ養成セミナーで学びを深めるとともに、大阪府内や兵庫県内の中学・高校・特別支援学校で、部活動指導員として生徒たちにバスケットボールの指導を行っている教育学部2年の吉岡悠人さん(神戸市立科学技術高校出身)に、グッドコーチ養成セミナーでの学びや部活動指導の面白さなどについて、話を聞きました。
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——運動部活動の指導の面白さは。
指導の面白さは、「こういう技・考え方をしたら、試合とかで通用するよ」というのを生徒に教えて、その通りに実践して通用したら、生徒が喜んでくれるところですね。メニューを考えて、「この練習をしたらこう伸びるから、この練習をいっぱいしよう」と方針を決めて、その練習の成果が試合で出た時とか。そういうのを見ていると、「あの練習をしていて良かった」と実感しますし、生徒の成長を感じられる部分が楽しいですね。
——大阪体育大学に進学したきっかけは。
元々、社会人を経験していて。平日働いて、土日は私立高校でバスケの指導のボランティアを長くしていました。そこで、生徒の成長とか、試合で活躍している姿とか、例えば前までできなかったことが 1ヵ月後にできるようになったというのを目の当たりにして。将来、何十年働くとなった時には、教員の方が働く喜びが大きいなと実感しました。それで、仕事を辞めて教員になろうと決め、大阪体育大学に進学しました。大体大はスポーツ専用施設が充実していますし、大学出身の教員同士のネットワークの強さも感じましたので、大学選びの決め手になりました。
——部活動指導員として活動を始めたきっかけは。
大学に入ってから、とにかく教育現場に関わりたかったので、色々な先生のところに行って、「教員になりたいんです」「部活の指導をしたいです」というのを言っていて、グッドコーチ養成セミナーを紹介してもらったのがきっかけです。実際の指導先は、活動を始めた頃は自分から自治体に連絡したりして見つけていました。今は大学から紹介された学校がほとんどですね。
——グッドコーチ養成セミナーでは 学生たちがコーチングの基礎をはじめ、スポーツ倫理・事故対応などを学びます。
セミナーでの学びが部活動の指導に活かされていますね。例えば、保護者との関わりとか、女子生徒への配慮とか、熱中症のセミナーとか。どういう対処をするかという知識があるだけで安心できます。普段から保護者とコミュニケーションを取っておくとか、熱中症の対処とかも知らなかったら慌てると思いますので、気の持ちようが違いますね。
——大阪体育大学では通信大手のソフトバンクと連携協定を締結し、ICTを活用した運動部活動指導を実践しています。
中学校と特別支援学校でICT活用の成果がありました。専用アプリを使ってお手本と生徒の動画を比較して、「できていると思っていたけれどここが違うな」とか、生徒の気づきにつながっています。過去と現在の生徒の動画を比較して、「昔こんな感じだったけれど、今ここが直って良かった」とか、そういう比較をしたりして学べるので、効果があると思います。
——将来の夢は。
高校の保健体育教員として、体育嫌いの生徒を一人でもなくしたいというのが夢です。そもそも保健体育教員になりたい根本にあるのが、人に対していい影響を与えたいという思いです。取り組み姿勢とか、頑張っている姿を見て、自分も頑張ろうと思ってくれたり、悪い影響ではなくて、プラスになるような影響を与えるのがすごく幸せなので。例えば指導に行っている高校の生徒で、「自分もバスケットボールの指導に関心があるので、大学生になったら部活動指導員をやってみたい」と言ってくれる生徒もいたりして、いい影響を与えられたなと嬉しく思います。元々、社会人を経験しているので、したいことがあれば、何歳になってもチャレンジできるというのも伝えたい。そんな高校の保健体育教員になりたいと思っています。
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