能登半島地震の被災地で本学のクラブ生ら40人が3月4日から7日まで、ボランティア活動に取り組みました。
参加した学生は硬式野球部、サッカー部、ラグビー部、アメリカンフットボール部、バスケットボール部、ライフセービング部、無所属など幅広く、2、3年生が中心。社会貢献センターが30人の募集枠で参加を呼びかけると、72人から応募があり、抽選で40人に絞られました。社会貢献センター長の中山健教授(スポーツ社会学)ら教職員4人が同行しました。
一行は羽咋市の国立能登青少年交流の家を拠点に、5、6日は七尾市、7日は志賀町で活動にあたりました。
七尾市では約10人のグループに分かれ、被災者が生活する民家に向かました。被災者の方のニーズを聞いて片付けにあたり、廃棄物や崩れたブロック塀などを仮置き場まで運びました。家屋は倒壊を免れても室内はタンスなどが倒れたままで、限られたスペースで生活されている方も多くみえました。現地では高齢の方が多く、本学の学生が来てようやく重い家財道具の撤去ができたという声も聞きました。廃棄物の仮置き場で仕分け作業にあたった学生は、新品の家財道具が廃棄されているのを見てやるせない気持ちになったといいます。「全壊」を示す赤い紙が貼られた民家は正月飾りが付けられたままで、元日の発生から時が止まっている状況に事態の深刻さを改めて感じた学生もいました。
被災者から多くの感謝の言葉をいただき、ミーティングなどで学生から「感謝されることで自分たちの活動の意義を再確認した」という意見が多数上がった。
また、志賀町では海岸の漂着物を片付けて地元の区長さんに感謝されました。
陸上競技部の本田結子さん(体育学部3年、岐阜・美濃加茂高校出身)は活動を通じて現地の方の心の強さを感じたといいます。高齢者の方の自宅で掃除や片付けをしましたが、被災者はつらい状況にも関わらず笑顔で明るく接し、「地震が起きた時は怖くて避難できなかったけれど、学生さんが来てくれて元気が出た。心からうれしい」と感謝されたそうです。
硬式野球部の中村龍一さん(体育学部4年、京都府立鴨沂<おうき>高校出身)は「被災地は高齢者の方が多く、大きな家財道具などを運べずに手が付けられなくて困られていました。『後は自分たちで片付けることができる。本当にありがとう』と言ってもらえました。しかし、被災地に行って、復興には長い年月がかかることが分かりました」と話しています。
本学は東日本大震災の発生直後から復興支援活動の「サンライズキャンプ」を毎年、福島県南相馬市で実施。高齢者の体力を測定する「お元気度チェック」、子どもたちや地域の方とのスポーツ交流会など、その時々のニーズに合わせて内容を少しずつ変えながら、「体育大学だからこそできる」支援活動を継続しています。
中山社会貢献センター長は「40人もの大人数での支援活動は私たちが活動していた期間では見当たらず、感謝の言葉をいただきました。復興支援に対するニーズは時間の経過とともに変化していきます。今後も被災地のニーズを探りながら、いずれは仮設住宅でのサロン活動や健康支援などの支援活動も考えていきたい」と話しています。
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