アスリートのキャリア支援を行う「マイナビアスリートキャリア」で勤務しながら、大阪体育大学大学院で学ぶ元Jリーガーの鹿山拓真さん。鹿山さんにアスリートのセカンドキャリアの課題や学び直しの重要性などを伺いました。
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○元Jリーガー・鹿山拓真(しかやま・たくま)さん○
長崎市出身の元プロサッカー選手。8歳からサッカーを始め、大学卒業後、V・ファーレン長崎、カターレ富山でプレーし、去年11月に現役引退。マイナビアスリートキャリアで勤務しながら、今年4月から大阪体育大学大学院スポーツ科学研究科博士前期課程でスポーツマネジメントを学ぶ。
——プロサッカー選手を引退したあと、企業で働こうと思ったきっかけは。
キャリア支援について知りたくて、マイナビに登録していて、キャリアアドバイザーと面談しながら、ビジョンを明確にしていく中で、自分のようにキャリアに悩むアスリートやスポーツで上手くいかなかった人をサポートしたい、そんな人たちのよりどころになりたいという気持ちが高まり、マイナビアスリートキャリアに入社しました。現在、長崎支社のキャリアアドバイザーとして、アスリートへの企業の紹介や面接対策といった就職活動支援に取り組んでいます。
——アスリートのセカンドキャリアの課題は。
仕事をしていて、アスリートの強みを感じることも多いですし、逆に弱み・課題もすごく感じます。これまでスポーツに一生懸命だったので、辞めたあとに何をしていいのかわからない。やりたいこともそれしかないし、活動していく軸もないという人も結構見受けられます。でも、スポーツの経験を生かさないともったいない。アスリートは課題を見つけてクリアしていく強さがあるので、早い段階で色々な方向へ幅を広げていければ、将来の可能性が広がっていく。その点で、スポーツをやる側だけでなくて、支える側の人材育成にも生かせるのではないかなと思います。アスリートはスポーツ以外のことに目を向けるのが結構難しいのですが、辞めた時に何が残るか、人として成長していけるようなスポーツのあり方というところも課題になってきます。
——この春大学院に入学されました。大学院で学び直そうと思ったきっかけは。
選手の時から、クラブ内でどうお金が動いているのだろうとか、マネジメント、経営とかにも興味がありました。それに自分の強みを生かすとなると、スポーツの分野の方がインプットもしやすいだろうし、これからのキャリアを考えた時にずっとスポーツに携わっていけたらなという思いもあったので、スポーツマネジメントやスポーツビジネス、スポンサーシップなどを学ぼうと、大学院に進みました。
——本来の2年間の授業料で最長4年間学べる「長期履修制度」を利用していますね。
仕事をしながら2年間で学べるのかなという不安があったので、この制度は決め手になりました。また、長崎在住なのですが、オンライン授業も選べるので、遠距離通学の不安も解消されました。今は火曜にオンライン授業、水曜に対面授業とゼミへの出席というスケジュールで、楽しみながら学んでいます。制度をうまく活用して最長4年の期間をもらうことで、スポーツマネジメントやスポーツビジネスの現場を肌で感じながら、学びをより深めていけるのかなと思っています。
——学び直しの重要性は。
知識がないまま就職しても、セカンドキャリアとしてもったいないし、トランジションの時期(※セカンドキャリアまでの転換期)を設けて学び直しをすることで、よりセカンドキャリアに生きてくるのではないかと思います。学び直しをして、様々な知識や多角的な視野を得ることで、自分の可能性を広げるチャンスになりますし、より良い人材として社会に貢献できるようになれば、業界の発展にもつながるのではないでしょうか。自分自身も大学院でのスポーツマネジメントやスポーツビジネスの学びと関連づけながら、仕事に取り組めていると実感しています。
——アスリートへのアドバイスは。
人生の軸がしっかりしていることが、人としても重要で、セカンドキャリアにも生かされると思います。何のためにスポーツに取り組んでいるのかとか、一つ一つの目標、目的、行動について考え抜くことを習慣にすると、それが自分の軸になります。この人生の軸をどんどん積み重ねていくと、良い人生になっていくと思いますし、自分の可能性を広げ、社会に貢献できる部分がどんどん増えていくのではないかなと思います。
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