日本スポーツ協会(JSPO)は、JSPO公認スポーツ指導者が目指す「グッドコーチ像」や、スポーツ現場で発生するセクハラなど様々な事案に適切に対応するためのヒントをまとめた動画とワークブック「ケーススタディから考えるグッドコーチング ~グッドプレーヤーのさらなる育成をめざして~」を制作し、ホームページで公開しました。
動画は、大阪体育大学体育学部の土屋裕睦教授(スポーツ心理学)が制作に協力し、ケーススタディ動画5本でそれぞれグッドコーチとして着目してほしいポイントや意識してほしいポイントなどを解説しています。
グッドコーチとは、JSPOが提唱する指導者像で、スポーツの意義と価値を理解した上で、スポーツとは何か、何のためにスポーツ指導をしているのかを常に自分自身に問いかけ、成長し続ける指導者のことです。
2012年に高校の部活動で体罰による自死事件が起き、翌年、JSPOを含む関係5団体は、「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」を発出しました。JSPOは、宣言の発出から10年経過後も、スポーツ界における暴力、暴言、ハラスメント等の不適切な行為の根絶には至っていないとして、指導者育成委員会の下に「暴力等根絶に向けたコンテンツ制作プロジェクト(座長・土屋教授)を設置して、指導現場で役立つツールの制作にあたり、今回、動画とワークブックが完成しました。
公開された動画は、「グッドコーチを目指して」と5つのケーススタディの計6本。「プレーヤーのミスに対するコーチング」「保護者との関係構築」「フェアプレー」「プレー以外の行動等に対する対応」「セクシャル・ハラスメント」の実例に基づいた具体的な事案について解説しています。
土屋教授は「コーチとして何から学べばいいのか分からない場合もあるが、指導現場で直面するケーススタディもあるので、まずはこの動画を見てほしい」と話しています。
土屋教授は、文部科学省「スポーツ指導者の資質能力向上のための有識者会議」(タスクフォース)委員、日本オリンピック委員会スポーツ科学サポート部門員などを務め、スポーツ庁からの受託事業として「グッドコーチ」の育成に取り組んでいます。
また、本学では、今年5月に春秋制で開講する社会人向け「運動部活動指導認定プログラム」で、「体罰・ハラスメントの根絶に向けて」「運動部活動とメンタルヘルス」の講義を担当します。
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