東京オリンピックで選手に対し、SNSによる中傷や攻撃が相次いでいます。
体操個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝選手、卓球混合ダブルス決勝で金メダルの水谷隼選手らが攻撃にさらされ、体操女子個人総合5位の村上茉愛選手も被害があったことを告白し、涙をこぼしました。
大阪体育大学体育学部の菅生貴之教授(スポーツ心理学)は毎日新聞のウェブ記事で、五輪開幕前も中止の世論が高まる中で選手のSNSに否定的なコメントが書き込まれたことを指摘したうえで、「開幕してからも否定的な意見が選手に直接投稿されるのは予想外だった」としています。
対策として、地道に社会の中で「中傷はいけないこと」という意識を醸成していく一方で、競技団体が中傷に対して決然とした態度を示すべきだとしています。
さらに、選手のメンタルヘルスについて、「体育会の風土が残る日本ではまだ偏見があり、専門窓口に頼りづらいことがある」とし、競技団体ごとに身近に相談できる環境を整えるよう訴えます。
米国の体操女子のエース、シモーネ・バイルス選手はメンタルヘルスを理由に団体決勝を途中で棄権しました。五輪前には、テニスの大坂なおみ選手がうつ症状であることを告白し、全仏オープンを棄権しました。
菅生教授は「けがをしたから治療するように、気持ちが弱っているときに休んだり、誰かに相談したりするのは積極的な対処だということを強調したい」と記事でコメントしています。
メディア
2021.08.02
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