大阪体育大学は地域公開講座「特別支援教育 教育講演会 ~障害児・者の正しい理解と適切な支援を行うために~ 」を、3月20日(土)オンラインで開催し、大阪府内外の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、教育行政機関等から約100名のお申し込みをいただきました。
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プログラムの前半は、大阪府立西成高等学校の山田勝治校長から「生徒をエンパワする学校-西成高校の軌跡と展望」と題した講演をいただきました。
山田校長はNHK「逆転人生」の「貧困の連鎖を断て!西成高校の挑戦」に出演し、荒れた教育困難校で教員が体を張って反貧困学習に取り組み、家族から見捨てられた生徒に希望を与える様子が大きな反響を呼びました。
山田校長は「意識化」や「差別と貧困」などの「反貧困学習の視点」、全国初の「校内居場所カフェ」の取り組みなど動画を交えながら、エンパワメントスクールの現状と課題、そして今後の学校経営について、熱のこもったお話をされました。
参加者からは「反貧困学習が必要とされる背景がよく分かった」「信頼は貯金、コツコツ貯めていくしかないという言葉は心に響いた」「教師が何を教えたかではなく、子どもたちが何を学んだかを大切にしたい」「西成高校での試みが、小学校や中学校でも必要であると思う」「周囲の大人の発言や先入観が子どもたちの考え方にも影響を及ぼすことがあると学んだ」などの感想をいただきました。
後半は、「障害のある生徒の社会的自立のために~卒業後の生活に生きて働く高等学校段階での教育を考える~」をテーマに、教育実践シンポジウムを行いました。シンポジストには、大阪府立すながわ高等支援学校の土口千恵子校長、大阪府立久米田高等学校共生推進教室の二本柳嘉伸コーディネーター、大阪府立西成高等学校の山田勝治校長をお迎えし、ファシリテーターは、前大阪体育大学教育学部教授の後上鐵夫先生にお願いしました。
障害のある高等学校段階の生徒のそれぞれの学びの場で「育てたい力」「働き続けるために必要なこと」「小中学校段階から大切にしたい力」などについて、シンポジストの方から、実践を踏まえた示唆に富むお話をいただきました。
「特別支援教育における保護者との関係についての考え方が参考になった」「特別支援学校卒業後の職場の定着率を高めるためにも、切れ目のない支援が必要だと学んだ」「特別支援学校、高等支援学校への進学や卒業後の情報について、小中学校の教員のニーズが高い」「小学校段階では、将来の進路について話が出てこないのが現状で、とても参考になった」などの感想をいただきました。
次年度も、現場のニーズに沿った、明日からの指導・支援につながる研修会や教育講演会を実施していきたいと考えています。
シンポジストの土口千恵子校長
植木章三教育学部長
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