「陸上競技の選手育成、および競技力向上の在り方~38年間の指導実績から~」と題したオンラインセミナーが2月15日(月)、運動クラブの指導者を対象に開かれ、栗山佳也教授(陸上競技部部長)が講師を務めました。
本セミナーは、大阪体育学会スポーツ領域研究会との共催で行われました。
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栗山教授は、筑波大学を卒業後、公立高校の教諭を経て、1982年4月、本学に着任しました。専門は陸上競技で、やり投げの選手として1981年アジア陸上競技選手権大会2位、1982年日本選手権優勝など、数々の輝かしい成績を残しています。指導者として、38年の長きに渡り、多くの学生を指導、インカレ優勝選手や日本代表選手を育成、輩出する傍ら、日本陸上競技連盟強化委員会投擲部長、日本学生陸上競技連合理事・強化委員、ユニバーシアードのチームリーダーなどを務めました。
これらの功績により、2020年には日本の陸上競技界の功労者に贈られる秩父宮章を受章しました。
セミナーでは、指導者としての転換期を振り返る場面で、1995年に実施したフィンランド合宿を挙げ、「優れた選手が輩出されるシステムやトレーニング方法を学んだことが、指導方法の確立に繋がり、2000年ごろから成果として現れるようになった」と当時を回顧しました。
そのほか、最近の学生の特徴として、高校時代に指導され過ぎている傾向にあり、できるだけ自身で考え理解させる指導が重要であると強調、「陸上競技を通じて人間性を高めること、人生を豊かにすること」を最終的な目標に置いていると述べました。
最後に、「できるだけ指導者自身が形を示すことで、選手の理解を促すことが必要である」と述べ、「現場での日々の指導が何より大切であり、これからも継続してきたい」と締めくくりました。
質疑応答では、「これからの若手の指導者に望むことは?」との質問に対し、「早く結果を出したいために、指導者が持っている知識を詰め込み、選手が情報過多になりがち。選手の状態や実力を見極めることが何より重要ではないか」と回答しました。
「国際大会で結果を残す選手の特徴は?」との問いには、「大きな舞台で活躍した選手は、共通して高い集中力を持っていた。加えて、緊張を上手くパフォーマンスに結びつけていたように思う」と答え、他にも「指導者としてのこだわりは?」「高校生の指導者求められるものは?」といった多くの質疑が寄せられました。
栗山教授の38年間に及ぶ指導経験、そこで培った知見が共有された2時間のセミナーは、次世代の指導者にとって非常に有意義な内容となり、盛会のうちに終了しました。
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