大学院スポーツ科学セミナーの本年度最後となる第15回は、北海道教育大学札幌校・安井友康教授を迎え、「ドイツにおける障がい者のスポーツ環境形成の現状」というテーマで講義していただきました。
<記事は下につづきます>
安井先生によると、ドイツでは、国民の3割がスポーツクラブに所属し、障がいのある方も所属できます。地域のスポーツクラブの特徴として、「障がい者」や「高齢者」を切り分けることなく、年齢や障がいで参加者を区別しないシステムになっているため、ドイツでは、障がい者と健常者のスポーツクラブの統合が進んでいます。例えば、障がい者スポーツでも人気の高い車いすバスケットボールはパラスポーツ競技のイメージがありますが、健常者でも体験したいと思ったらいつでも参加可能で、障がい者、健常者が一緒に楽しめる仕組みになっているそうです。
講義のなかで安井先生は、スポーツクラブの活動内容のひとつに社会的情報の発信の場としての役割があり、「スポーツの持つ力」をもう一度、見直す必要があると説明されました。高齢者や障がい者の孤立化が問題となっている中、スポーツクラブは社会を再統合し人々をつなげていく場であり、そこに所属することで、人々は「居場所」や「所属意識を持つ」ことができるそうです。
今回で、大学院スポーツ科学セミナーは全日程を終了いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
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