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2020.04.20

「感染防止で活動停止中の学生アスリートに求められることは」ハンド女子7連覇・楠本監督に聞く

「今は自分が試されている時と思おう」

 

新型コロナウイルスの感染防止のため大学のクラブ活動は停止となり、学生アスリートは先の見えない日々に不安を募らせています。今、クラブや学生、指導者に求められることは。昨年11月、全日本学生選手権で前人未到の7連覇を達成したハンドボール部女子監督の楠本繁生体育学部教授に聞きました。

 

Q・クラブ活動の停止は長期に及ぶ。どう対応しているのか。

本学では3月13日に全クラブの活動自粛が決まった。その後も日に日に状況が悪化したため保護者と連絡を取り、新入生を含む部員52人中、希望した39人を帰省させ13人が大学近辺に残った。全部員には毎朝、1年前から導入したアプリ「Atleta(アトレータ)」に体温、体重、就寝・起床時間、体の気になる部位などのデータを入力させて、健康チェックや体調管理に努めている。

また、自主トレーニングのメニューは、下河内洋平教授(臨床バイオメカニクスなど)が作成しているが、スマートホンなどでみんなの顔を見ながら遠隔で一緒に練習できないか検討している。

Q・学生は今、どのような不安を抱えているのか。心理面のケアは。

数日前、西日本学生選手権の中止が決まった。学生は大会や試合に向けて目標を設定し練習するが、何に向かって努力したらいいのかと不安を感じている。

学生には毎日3~5人に電話し、新4年生には進路の話、そのほかに体調、実家での保護者とのコミュニケーションなどを聞いている。一人で頑張るのが苦手な選手には「何カ月も休みが続くと個人差が出るやろうなあ。先生はその結果を見るのが楽しみや」と背中を押したり、真面目すぎる選手には普段できない趣味や読書を勧めたりと内容はそれぞれだ。

Q・今、選手に求めたいことは。

自分にも学生にも戒めていることだが、「今は自分が試されている時」と思うことが大切。集団競技の選手は個人競技の選手ほどストイックには練習できない。「あの選手と一緒なら頑張れる」「この選手には負けたくない」など自分を高めてくれる仲間の存在が大きい。学生には「毎日寝るときに、今日1日24時間をどう過ごせたか自己評価しよう」と言っている。先が見えない今は1日1日を、課題を持って過ごすことが大切だ。その積み重ねが、全員がそろった時の力になる。

 

【楠本監督が語る動画はこちらでご覧になれます】    https://youtu.be/C2emwS2IV8w

※日刊スポーツのウェブ記事

https://www.nikkansports.com/sports/news/202004200000455.html

 

 楠本 繁生(くすもと・しげお) 選手として本学でインカレ優勝。京都・洛北高校でインターハイ4連覇、2010年から本学ハンドボール部女子監督。昨年はインカレ7連覇のほか、実業団を含めた日本選手権で準優勝した。

 

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