「障害児・者の正しい理解と適切な支援を行うために」をテーマにした地域公開講座・特別支援教育教育講演会が2月23日(日)、本学中央棟大会議室で開かれ、小中高校や特別支援学校の先生方らが参加されました。
植木章三教育学部長のあいさつの後、日本財団パラリンピックサポートセンターのマセソン美季さんが、「2020パラリンピックを題材に共生社会を考える」をテーマに講演しました。
マセソンさんは1998年長野パラリンピックのアイススレッジスピードレースで金メダル3個銀メダル1個を獲得した日本のパラリンピアンのレジェンドです。国際パラリンピック委員会(IPC)公認の教材「I’m POSSIBLE」(アイム・ポッシブル)日本版の開発や普及に尽力されています。
パラリンピック教育は新学習指導要領に初めて盛り込まれます。講演でマセソンさんは教材の「I’m POSSIBLE」について、「パラリンピックの基礎知識・魅力を学ぶ」「パラリンピックの価値を学ぶ」「パラリンピックを題材に共生社会を考える」の3つのステップで考えてほしいと語り、「子どもの障害ではなく可能性から授業を組み立ててほしい」と呼びかけました。
そのうえで、「インクルージョンについて考える」をテーマに参加者が3~4人ずつに分かれてグループワークを実施。「視覚障害がある子がいる学級でベースボール型球技をする場合、どのような活動をするか」について、参加者らは、「教え方」「ルール」「環境」「用具」の4つの観点から考え、キックベースボールの授業などを提案。マセソンさんは「パラリンピック教育で、『違いが当たり前になり、違いがあるから、社会は豊かになる』という価値観を伝えてほしい」と訴えました。
午後のセッションでは、教育実践シンポジウムがあり、マセソンさんに加えて、東京都東久留米市立南町小学校の石塚智弘先生が「小学校でのパラリンピック教育での実践」、都立府中けやきの森学園の横井路彦先生が「特別支援学校でのパラリンピック教育の実践」について日頃の学校での取り組みを報告。その後、本学の曽根裕二准教授の司会で3人が議論を交わし、参加した広島県や兵庫県などの先生方からも各学校での取り組みや悩みについて報告がありました。
このほか、ランチセッションには障害のある子どもたちのダンスグループ「Dance Assemble アマカマ・ドゥ」の創作ダンスも披露され、実りの多い講座になりました。
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