盛大に開学50周年記念式典・祝賀会がおこなわれ、会場は熱気に包まれました
大阪体育大学開学50周年記念式典・祝賀会が7月26日、大阪市北区のリーガロイヤルホテルに来賓、招待者、教職員、学生など約600人が出席して盛大に行われた。 記念式典では冒頭、本学の今日に至るまでの歩みがスクリーンに映し出され、出席者たちは感無量の面持ちで食い入るように見入っていた。
次いで岩上安孝学長が「本学半世紀の歩みが、皆様方に支えられ、今日の日を迎えることができた。一粒の種がまかれ、教職員が愛情を注ぎながら、揺るぎない本学の基盤づくりに取り組んできた茨木時代、体育・スポーツに対する多用な社会的ニーズを踏まえ、本学の将来展望も見据えながら、新たな扉を開いてきた熊取時代、半世紀の歩みは順風満帆とは言えないが、2万人に届かんとしている卒業生が幅広い分野で活躍している。これまでに培った大体大力を結集し、新しい時代を切り拓いていく原動力となれるよう、更なる歩みを進め、これからの10年を展望し、『大体大ビジョン2024』を策定した」と式辞を述べた。
野田賢治理事長は「野田三郎(初代)理事長は『スポーツを通して青少年の心身の発達を』の浪商教育を柱に、延長線上に体育大学の設置を構想した。東京五輪(1964年)の前年、(スポーツ界の大御所)大島鎌吉先生に会って意気投合、大島先生から『新しい体育大学を作るには産業界とのつながりが重要』との示唆を得、(教育界の大御所)加藤橘夫先生を紹介してもらった。加藤、大島両先生の大体大開学への参加が決まった時点で、スムーズな船出が出来た。そして卒業した一期生が各地に散らばって活躍、無人の荒野を開拓してくれた。 大阪体育大学の信頼につながり、高校の先生たちが多くの受験生を送ってくれた。開学の精神は引き継がれ、原点はまったく揺るぎない。開学の精神を大事にしながら100周年に向かいたい」とあいさつした。
下村博文文部科学大臣の祝辞を同省・白間竜一郎スポーツ・青少年局総括官が代読、次のように述べた。「貴学は開学以来『不断の努力により智・徳・体を修め社会に奉仕する』を建学の精神のもと、我が国の体育、スポーツの研究で中心的な役割を担うと共に、1万9千を超す卒業生が体育・スポーツをはじめとした様々な分野で活躍されるなど我が国の発展に大きく貢献されてきた。2020年の東京五輪・パラリンピック、ラグビーW杯2019の開催を絶好の機会ととらえ、スポーツを通じて人々が豊かな生活を営むことができるスポーツ立国を実現するため、『スポーツをする、観る、支える』国民の増加につなげたい。新たに開設された教育学部では体を動かすことの楽しさや、運動のポイントをしっかり指導できる教員養成に取り組んでいると伺っている。貴学で学んだ学生の皆さんが将来、社会の中で体育・スポーツに関わる専門人材として活躍するのみならず、将来を担う子供たちを教員して指導するなど我が国の体育・スポーツの発展に寄与されることをご期待申し上げる」。 式典の締めくくりとして、東京五輪体操女子銅メダリスト、公益財団法人、笹川スポーツ財団の小野清子理事長が「64年東京大会を振り返り、2020年の東京五輪・パラリンピックに期待を込めて」と題して記念講演した。(記念講演の模様はこちらからご覧ください)
14人に大島鎌吉スポーツ功労賞、奨励賞
記念式典の後祝賀会に移り、福田芳則副学長が「開学以来50年、地道ではあるが確実に発展を遂げている。小粒だけれどピリッとした大学であると思っている。50年を懐かしく振り返り、未来へ夢を持って話しが盛り上がるよう願っている。歴史と伝統を礎に、直近の10年、2024年ビジョンに向けて進んでいきたい」とあいさつ。
一般社団法人全国体育スポーツ系大学協議会、松浪健四郎会長の祝辞を日本体育大学・谷釜了正学長が代読した。「日本体育学会の会長で東大名誉教授の加藤橘夫先生を学長として招請されたのをはじめ、そうそうたる教授陣でスタートを切り、隆盛の一途をたどっている。体育スポーツ系の関西の雄ではあるが、総合大学へ脱皮する姿はまぶしくもある。2020年の東京五輪・パラリンピックを控えて、関西、近畿にある各大学のリーダーとして大きな力を発揮していただきたい。少子化の波は容赦なく打ち寄せているが、大阪体育大学は時代を読み、先手を打ち、裁量のモデルになっている。今後も我が国の体育・スポーツ系大学の手本となるべく、さらなるご発展を強く望みます」。
続いて鏡開きがあり、大阪体育大学同窓会・長家秀博会長(大阪歯科大准教授)の乾杯の発声で、祝賀会は盛大に始まった。米大リーグ、ボストンレッドソックスで活躍している上原浩治投手のビデオレターがながされると、会場は大きな拍手に包まれた。
祝宴の中盤で、50周年を機に創設された大島鎌吉スポーツ功労賞に3人、同奨励賞に11人の元、現指導者に野田理事長から各賞が贈られ、受賞者を代表して陸上競技部を指導した伊藤章名誉教授が謝辞を述べた。
また本学の発展に貢献した名誉教授に感謝状が贈られた。 我が国トランポリン競技の第一人者で、ロンドン五輪(2012年)5位入賞、翌13年の世界選手権シンクロの部優勝の上山容弘選手へのインタビューコーナーで、同選手は来年のリオ五輪での活躍を誓った。
そしてフィナーレを迎え、浪商学園の設置校、大阪青凌中・高校吹奏楽部の演奏で大体大クラブ代表学生男女約50人が学歌を披露。会場の教職員らと斉唱、クライマックスに達した。
最後に学校法人浪商学園、西尾一実常務理事が「アスリートと指導者を育成、日本のトップを目指す。そして信頼出来る人材を社会に送り出すことをお誓い申し上げます」と力強い謝辞を述べ、盛況裏のうちに一大イベントは幕を閉じた。
主な来賓は次の通り。(敬称略)小野清子(公益財団法人笹川スポーツ財団理事長)▽白間竜一郎(文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官▽二戸基明(同局体育参事官付指導係長)▽谷釜了正(日本体育大学長)▽中西誠(熊取町町長)▽千代松大耕(泉佐野市長)▽長家秀博(大阪体育大学同窓会会長)
大島鎌吉賞
大島鎌吉賞 大体大初代副学長として、大学の基盤づくりに尽力。功績を顕彰し開学50周年を機に賞を設けた。功労賞と奨励賞があり、功労賞は「在任中にオリンピック・パラリンピック、世界選手権、アジア大会の日本代表、及び日本新記録の樹立もしくは、これに匹敵する成績を収めた選手の指導育成に特に功労顕著な者」。奨励賞は「在任中にインカレ優勝、ユニバーシアード大会、及び全日本選手権大会個人3位・団体8位以内、もしくはこれに準ずる成績を収めた選手の指導育成に功労顕著な者」が受賞対象になる。
〈プロフィール〉 1908年、金沢市生まれ。1985年没。元三段跳び世界記録保持者。1932年ロサンゼルス五輪銅メダリスト。1928年、関西大予科入学、元毎日新聞記者。1964年東京五輪選手団長・選手強化本部長として日本に16個の金メダルをもたらす。1982年オリンピック平和賞受賞。
50年誌好評
2,000部が7月26日に発行された。A4版、横書き、2段組、フルカラーで342ページの豪華本。主として1995年から2014年までの内容がまとめられ、記録としての性格を重視しながら、広報的要素も加味した。 大学50年、世界で活躍するトップアスリートたち、将来像を語ると3つの座談会が特集されているのもユニークで、50周年記念式典・祝賀会に出席した大学の教職員をのぞく大学同窓会役員、退職職員などに郵送されたほか、全国の体育系大学、近畿圏の高校、体育系コースを持つ全国の高校、100校にも送られた。将来はデジタルデータ化、電子ブック化する構想もある。手にした関係者は「ビジュアルで見やすい」「資料としても十分活用出来る」と好評だ。
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