大阪体育大学のサッカー部に入部した最初の印象は「レベルが高い！」でした。先輩方はもちろんですが同級生の仲間たちも実力者がそろっており、入部当時はトップチームに入れませんでした。僕が1年生のときに、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでチームが優勝し、メガホンを持って試合会場で応援してすごく喜びましたが、同時に「ここのトップチームに入るのはすごく大変だぞ」という思いがありました。そこでトップチームに入るために、身体や精神面の差を埋めるところからはじめようと、まずは筋トレからスタートしました。大体大に入学できて良かったと思うのは、そうしたときに栄養学や身体の使い方などの授業で学んだことをすぐに実践できることでした。技術よりもまず、身体づくりを意識して練習に取り組めたことが今の自分につながっていると感じます。その頃に得た知識はアップデートしながら今でも役立てています。

大学の3年生になり、ようやくトップチームでプレーができるようになりました。その年、全日本大学サッカー選手権大会（インカレ）で優勝したことがプロへの大きなきっかけ。大学1、2年の頃にはプロの選手になれるとは思っていませんでしたが、優勝後に全日本の選抜に呼んでいただき、そこでプロに行くような選手たちと一緒にプレーをして、自分が通用する部分があることにも気がつけて。もちろん全然通用しない部分も多くあったのですがチャレンジできるという思いも生まれて、プロを意識するようになりました。その経験からさらに合同練習、自主練習の意識が変化していきました。

オファーはもっと早く、いくつかいただいていたのですが、4年生になってからプロチームの練習に参加させてもらい、チームの雰囲気や、練習内容など自分の目で見て「レノファ山口FC」に決めました。当時は新しいチームとしての勢いがあり、明確なビジョンを掲げていたことに感銘を受け、僕もその中でチームを盛り上げていく一人になりたいと感じました。大体大のひとつ上の先輩もいて、いろいろとお話を聞かせていただいたことも大きかったと思います。新しい環境での不安もあったので先輩がいたことはすごく助けになりました。

2023年、アビスパ福岡はルヴァンカップで初優勝しました。これから2連覇、3連覇と続けていけるように取り組み、アビスパ福岡を全国の人に知ってもらいたい。僕はゴールキーパーですので、たくさんの子どもたちが「ゴールキーパーをやりたい！」って思う人気のポジションになれるように普及していきたいと思っています。キーパーはチームを救うことができるポジション。点は取れないけれど、チームを負けさせないようにもできるポジション。この魅力を、存分に発揮して、今後も
アビスパ福岡に貢献していきます。

（2024年2月 取材）