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「先生」から、夢を追い渡豪。竹内擁騎、好サポートで信頼得る。

 大分舞鶴高、大阪体育大でキャプテンを務めた。大学卒業後は1年間大阪の公立中学校の特別支援学級に勤務し、3年生の担任も。ラグビー部の顧問を務めていた。そんな男がいま、シドニーで楕円球を追っている。

 竹内擁騎(たけうち・ようき)だ。今年の3月まで教職に就きながら、もう一度プレーヤーとしての夢を追い始めた。高校、大学で全国大会を経験している。大阪市教員団(トップウェストの下部リーグに所属)でプレーを継続しているうちに、もう一度、より高いレベルでプレーしたい…という気持ちが強く湧く。退職を決断し、オーストラリアに渡った。

 門を叩いたクラブはシドニーユニバーシティーだった。一昨年、高校の先輩でもある城彰(キヤノン)が、1stグレードでシュートシールドに出場した名門クラブ。オーストラリア・ラグビー発祥クラブで、現ワラビーズのバーナード・フォーリー、イズラエル・フォラウらスーパーラグビーの選手たちが大勢所属し、オーストラリア全土から優秀な選手が集まるところだ。

 3年生の担任として、教え子の卒業を見届けてから渡豪した。そのため、チームにはシーズン開幕後の合流に。4thグレードのリザーブから試合出場のチャンスを待つ状況が続いた。
 ポジションはもともとFLも、現クラブではHOでプレー。短い時間ながらも出場した試合では、豊富な運動量で積極的にボールに絡み、密集でのターンオーバー、相手のノットリリースを誘う事も多かった。そのパフォーマンスから徐々にコーチ、チームメイトの信頼を得る。合流してから5戦目のランドウィック戦では先発として起用された(ランドウィックでは井波健太郎/東海大がCTBで先発出場)。

 その試合で竹内は活躍した。自陣22m付近から、味方のBKがラインブレイク、一気に相手ゴール前まで駆け上がると、それを忠実にサポート。つないだパスを受け取り、ゴールポスト真下へ飛び込んだ。後半早々に飛び出たこのトライは試合を決定付けるものとなり、試合はシドニーユニが36-5で快勝。長い距離をサポートした竹内のプレーは試合後にコーチ陣の間で話題になり、この日以降は先発での出場を続けている。

 チームの先頭に立って体を張り続けるスタイルは、プレーする場がどこでも変わらない。3rdグレード、そしてさらに上へと、竹内の視界は広がってきている。

(文/Yasu Takahashi)
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