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2018度に行った
横断的研究の実施状況と成果2018年に全日本学生選手権6連覇を果たし、現チーム内でも年代別代表選手を抱え、2019女子ハンドボール世界選手権大会および2020東京オリンピックでも代表選手の輩出が見込まれる本学女子ハンドボール部(既に本学卒業生は日本代表で活躍中)で、ここ数年パフォーマンス向上と傷害予防のトレーニングを実施しています。同部では、各選手のトレーナビリティーにあわせた、勝つための効率的なトレーニングを展開してきました。本事業ではその方法の効果・検証を行い、理論構築とプログラムの確立を図りました。
さらには類似の傷害の発生が多く、ハンドボールと同様、パフォーマンス向上のための強化と予防プログラムが必要であると考えられる競技特性を有するバスケットボールやバレーボールにおいて、ハンドボールの知見から得られる試行プログラムの処方とその効果検証を行い、仮説の論証ならびにプログラムの開発に取り組みました。
あわせてジュニアやユース年代といった若年層への検証に取り組むため本学併設校である大阪体育大学浪商高等学校の女子バスケットボール部へのプログラムの開発や介入研究も行い、測定結果と仮説との関係性を多角的に分析しました。
実施状況 | 女子ハンドボール部47名 | 女子バレーボール部24名 | 女子バスケットボール部30名 | 高校女子バスケットボール部26名 |
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測定 [①下肢アラインメント] | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
測定 [②筋力測定] | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
測定 [③フィールドテスト] | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
測定 [④心理的因子の調査、栄養摂取状態・生理周期等の把握] | △ (心理調査完了) |
△ (心理調査完了) |
△ (心理調査完了) |
△ (心理調査完了) |
介入トレーニング指導 | 済 | 済 | 済 | 済 |
再測定 [②筋力測定] | 済 | 済 | 済 | 済 |
再測定 [③フィールドテスト] | 済 | 済 | 済 | 済 |
再測定 [④心理的因子の調査、栄養摂取状態・生理周期等の把握] | △ (心理調査完了) |
△ (心理調査完了) |
△ (心理調査完了) |
△ (心理調査完了) |
効果検証・プログラム開発 | 先行研究および本事業の成果より、女性アスリートのためのための新たなトレーニングプログラムを開発を行った。 |
成果発表・フィードバック | 学内アスリート・学術集会シンポジウム・学会発表・中央競技団体講習会にて積極的に本事業の成果をフィードバックを行っている。 |
※未実施: 高度微量採血技術を用いた疲労からの骨折や腱の断裂など、将来の自発的な発症事例の予防方法の開発
測定対象
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強化年代
- 大阪体育大学女子
ハンドボール部(約47名)
- 大阪体育大学女子
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強化予備軍
- 大阪体育大学女子
バスケットボール部(約30名) - 大阪体育大学女子
バレーボール部(約24名)
- 大阪体育大学女子
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ジュニア年代
- 大阪体育大学浪商高等学校
女子バスケットボール部(約26名)
- 大阪体育大学浪商高等学校
測定内容
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01下肢アライメント測定
- 1大腿骨捻転角(上向き・下向き)
- 2Quadriceps 角(Q-angle)
- 3大腿脛骨角
- 4舟状骨沈降量
- 5最大背屈角
- 6反張角
- 7骨盤前傾角
- 8下腿踵骨角変位量
- 9膝関節前方弛緩性測定
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02心理学的要員の調査・ステップワイズ式重回帰分析
- 1個人(モチベーション、性格傾向ポジティブ・ネガティブな完全主義傾向)
- 2集団(リーダーシップ、集団凝集性、集合的効力感)
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03筋力測定:1RM(最大挙上重量)測定
- 1パワークリーン
- 2バックスクワット
- 3ベンチプレス
- 4ベントオーバーロウ
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04フィールド測定
- 120m走
- 2立ち幅跳び
- 3垂直跳びおよびリバウンドジャンプ
- 4メディシンボール投げ
- 5エドグレンサイドステップ
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05柔軟性測定(指椎間距離、胸椎回旋)
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06経皮的電気刺激による過最大膝伸展力および随意的最大膝伸展力
実施成果
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下肢アラインメント測定は、合計約80 時間かけて測定者5 名の測定の信頼性を確立した後に、全ての選手の測定を完了した。
筋力測定やフィールド測定、柔軟性測定は複数回定期的に行った。
経皮的電気刺激による測定に関しては現在19 名測定が終了している。
心理測定はトレーニングに対するモチベーションに関わる要因に関して行い、全ての部活に対して行った。