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女性アスリート
育成・支援プロジェクトの
実施背景近年、球技スポーツにおける我が国の女性アスリートは多くの国際大会で上位の成績を獲得するようになりました。反面、男性アスリートと比較して傷害発生率は数倍高く、競技離脱を余儀なくされることが多いという現実もあります。このようなスポーツ傷害と女性特有の原因による競技現場からの長期離脱は、国際大会で活躍できるような選手のみならず、ジュニア期からの育成年代における中長期的な育成・強化において解決すべき課題となっています。
ついては、2020東京オリンピックや、以降の国際大会での女性球技種目で持続的に上位成績を獲得するために、
- スポーツ傷害発生率を高めると同時に体力や筋力の向上に悪影響を及ぼす因子の明確化
- 1.で明確になった因子の修正や除去を目的としたパフォーマンス向上と傷害予防の両目的を実現しうるトレーニングプログラムの開発
- トップアスリートのみならず、ユース・ジュニア世代から、スポーツ傷害予防の介入に効果的なプログラムの提供とその周知・啓発と、それらの取組を通じた中長期的な国際競技力の向上および環境の基盤整備(レガシーの創出)
というテーマに取り組み、本事業で得られたトレーニング理論とそれに基づくプログラムの提供と普及・啓発に取り組むことで、日本の女性球技に関わるアスリートの競技レベルの向上とスポーツ傷害予防に資することができると考えています。
球技系女性アスリートは下肢傷害の危険因子を男性アスリートよりも有する確率が高く、
下肢傷害の発生率も高いことが知られています。
その理由として、女性アスリートは男性アスリートに比べ動的姿勢制御能力や神経筋制御能力が低く、関節の弛緩性が高いことや膝関節に負担をかけやすい骨配列や骨形状も有しています。さらには心理的要因や生理的要因も絡んで複雑化しており、その結果、これらは女性アスリートのトレーナビリティーにも悪影響を与えている可能性があります。