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国際体操科学フォーラム
背景と目的採点競技の代表格である体操では、現場の実践者がもつ感覚や日進月歩の技術革新のペースに実験室的な科学研究が追いつかず、両者のギャップが長く問題視されてきました。一方で、昨秋に国際体操連盟が3次元レーザーセンサーを用いた採点支援システムの採用を決定し、日本企業の動作解析技術を利用した自動採点システムが2019年10月開催の「第49回世界体操競技選手権大会(ドイツ・シュツットガルト)」から導入されることが予定されており、2020年以降の自動採点の実現を目指しています。
大阪体育大学では、比較的早期からモバイル端末を活用した「映像遅延再生装置」を体操体育館に導入し、さらに2016年度から特色あるプロジェクトとして「器械体操における競技力の可視化及び即時フィードバックシステムの構築」に取り組んできました。本学で開発されたオリジナルのフィードバックシステムは日常トレーニングレベルで活用されており、そのような科学と実践の統合的発展に向けた取り組みの実績があります。
このような背景を踏まえ、本学では「体操の科学と実践」をテーマに、長く国際体操連盟の中心に関わってきた世界的に有名なエキスパートを交えて、選手、指導者、審判、科学研究者など、様々な視点から議論を深めるためのフォーラムを開催します。東京2020大会を翌年に控えた絶好のタイミングに、競技実践のみならず科学的視点からのフォーラムを開催できることは、日本体操界のスポーツ科学面における国際的評価向上の観点から有益な試みとなると確信しています。