9月2日(土)・3日(日)の2日間に亘り、女子レスリングで五輪史上初となる4連覇を達成した伊調馨選手(ALSOK)が大体大入りし、イベントが開催されました。
2015年開学50周年を記念して策定した大体大ビジョン2024に基づき「夢へダッシュ! 少年少女・女性アスリート応援プログラム」と題して「スポーツ庁委託事業「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」(女性アスリートの戦略的強化のための調査研究)の一貫で行われたこの企画では、初日となる2日にシンポジウムを開催。本学 学長室女性アスリート育成支援プロジェクトのコーディネーター・片上絵梨子さんと共に伊調選手が登壇し、女性アスリートが抱える心理面のサポートについて対談しました。伊調選手は自身の体験の中から「『応援してくれる人たちを喜ばせよう』と一生懸命に取り組むあまり、精神的に疲弊する選手を見受けます。また人一倍努力してもなかなか自信が持てず、精神的に追い込まれる人も多い。実際、姉の千春がそうでした。そんな時、家族や仲間がただ寄り添い見守ってあげるだけで救われることもあると思います」など貴重な意見を披露しました。
また、2004年のアテネ五輪において初めてレスリングが競技種目に加わって以降、競技人口が増えていることに触れ「当時の環境から比べると設備やサポート体制が整っていてうらやましいです。後は選手たち自身が、それをどう活用するかだと思いますので頑張って欲しいです」とエールを送りました。
翌3日は伊調選手によるコーチングイベントを企画。前半の回では地元の小学生を対象に、120人の未入門者・初心者が参加し楽しく遊びながらレスリングに親しみました。後半は大阪市内のレスリングクラブ10団体・133人の小学生が参加。伊調選手のように強くなりたいという子ども達の真剣な面持ちに、伊調選手も力の入る指導が印象的でした。
伊調選手によるレスリング競技の普及と強化を伝えたコーチングでしたが、いずれも「レスリングは一人ではできません。相手がいて初めて成立するスポーツです。その相手には握手で『お願いします』『ありがとうございました』と伝えることが大事」と、礼に始まり礼に終わる、日本の武道の精神にも通ずる考えを教えている姿に、トップアスリートとしての人間力を垣間見ることができました。
大阪体育大学は、DASHプロジェクトを通じ、大体大ビジョン2024で掲げた「競技力向上の発展に貢献する研究」と「内外トップアスリートと連携した地域スポーツ振興」の推進に取り組んでまいります。